2月8日に公開され、好評の声が聞こえていた「劇場版 幼女戦記」。4月から4DX版が上映開始ということで、今回はスタッフが4DX版を見てきました! アトラクション的に楽しめたのはもちろん、物語としても、続きがとても気になるイイ展開でした。お話を盛り上げたのはやはり……あの人、ですよね!
■これぞ! 4DXの迫力を堪能できる空中戦闘
くむ「私は通常版を見ていないのでなんとも言えないですが。どうです?」
蒔田「僕は両方見に行きました。最初に通常版を見た時の感想は、音がいいなあというのと、その後4DXをやると聞いて、合いそうですね!と思いました」
くむ「で、実際見てみると?」
蒔田「前半では空中に止まって撃つ時にプシュッ、プシュッと空気が耳をかすめる程度でしたけど。本格的な空中戦になるのって後半じゃないですか。そこに入るとね! 楽しいね、これ!」
くむ「動く動く!という感じですよね」
蒔田「ガルパンの時も思いましたけど、やっぱ向いてますね、そういう戦い方をするもの。乗り物とか」
くむ「うちの方では通常版も同じタイミングで上映が始まったんですよ。だから一瞬悩んだのね。チケット代の違いもあるし。でもやっぱりこれは“4DX映え”するに違いないだろうなと、あえて4DXに行ったんです。正解でしたね」
たま「完全なるアトラクションでしたね。前評判から空戦がすごいという話は出ていたから、絶対面白いと思ってました」
くむ「大変満足して、チケット代以上に楽しませてもらったなという感じで帰ってきました」
■神より遣わされしチートキャラクター、メアリー・スー
蒔田「すごく、迷惑な子だと思うんですけど、この子」
たま「うん…なんかあんまりいい死に方できないんじゃないかなという立ち回りしますね」
くむ「言ってしまえば美味しいキャラクターじゃないですか。だって、普通だったら彼女が主人公ですよ」
たま「まあ敵対者もトップクラスの悪魔とか言われちゃう感じの人ですからね。それを倒すとか、相当ヒロイックですよね」
くむ「この二人の戦いがこの後もいろんなところで続くのかな、と思っていたから。あ、ここで死ぬのか、まさに映画のためのヒロイン…という言い方はおかしいけど、ヒロインだったのかも、と思ったんですよ。だから、生きてる?ってなったときに、あれだけ撃たれて生きてるんだこの子…って」
たま「強さも込みでバーサーカーですよね、彼女は。とはいえ、彼女はターニャに殺さちゃいけないんじゃないかなと思うので。ターニャ以外の、あの世界の人が彼女を撃つならば、意味があるかなと思うんですけど」
蒔田「神様との戦い的な意味で?」
たま「そうそう。やっぱり、神を信仰するかどうかは普通の人に委ねられるべきだと思うから。ある種、ターニャが神の力を人間として真っ当に運用しているのに対して、メアリーは神様からもらった力を、人間を顧みない方法で運用しているから。その横暴さは神様らしいと言えるのかもしれない、と考えれば、どっちを支持するかという話になるんじゃないかな、と個人的には思うんですよね。メアリー・スーって、やっぱり創造主が世界に入れ込むものだと思うので。彼女の行動は神様の思し召しということになるのかな、と思うと…」
蒔田「そうだね。親父さんは自爆だから、殉教しちゃったもんな。それを考えるとそうなのかもしれない。やっぱり、味方に殺されるんじゃない?」
くむ「この二人の結末に関しては、今回の劇場版では終わらなかったわけですからね」
たま「この件で決着がついたら、幼女戦記のテーマを消化する気がするので。もうちょっと、いろいろぶつかってほしいかなという気がします」
■冒頭の会話で明らかになる、戦後、帝国が滅んだ未来
くむ「うん…まあ、滅ぶでしょう、あのまま行けば」
たま「この世界観ですから、一発逆転の大奇跡みたいなことは起こらないですよね」
くむ「どんな魔法能力を使おうが、結局は負けるわけですよね。物量には敵わなかったという。その敵わなさを、今回描いていたわけじゃない。一大隊くらいが強くたってダメ、というのをね。パッと見ていると強いじゃない、ターニャたちって」
蒔田「誰も死なない」
くむ「死んでほしくないとももちろん思うんだけどさ。すでに感情移入しているから。でもこの強い連中がいたからといって、本当に国が勝てるわけではないという。その前線だけが勝てているだけでしかない。物量でこられたときには、相手の力が大したことなくてもこうやってジリ貧になっていくんだという。いずれ見るかもしれない怖さですよね。彼らが一人ずつ落ちていく、みたいな」
蒔田「ターニャの方も、この世界が先行きどうなるかというのはなんとなく知っている、みたいなレベルで考えているわけじゃないですか。だからそれをどう決着をつけるのかというのは、幼女戦記の楽しみの一つなので。この後も映像化してくれるといいなあ」
くむ「今回、劇場版が面白かったから1巻分ずつ劇場版でもいいのかな、という気がしないでもないよ」
蒔田「私は一向に構わん!」
くむ「テレビシリーズで見たい気持ちももちろんありますけど。今、ビジネス的にはテレビと映画って別の流れがあるわけじゃない。(劇場で)1巻分を2時間、みたいな感じで描けるのであれば、それは悪くないんじゃないかなと思うんですよ」
蒔田「ちゃんとした予算が取れて。いい作画でぐるぐる動く作画で見れて」
くむ「そしてついでに4DXでもやってくれたりすれば」
蒔田「Win-Winや!」
上へ下への空中戦を体感し、ストーリー的にもうまい盛り上がりで楽しませつつ、次への期待感もしっかり高めてくれるという、最高のエンタメとして楽しませてくれる作品でした。お近くに4DXシアターがあれば、体感してみて損はないと思いますよ!
(笠井美史乃)