凡人よ、ハイステータス支配者たれ! そこ☆あに『オーバーロードIII』特集まとめ

今回は、いよいよ第3期も大詰めを迎える『オーバーロードIII』特集です。同作が最初にアニメ化されたのは2015年夏。そこ☆あにでは第5話まで視聴済みという早い段階で特集しました。それから早3年。間が空いても、あの強固な世界観と強烈なキャラクターたちは変わらず魅力的でした。待っている間に原作を読んでしまった人には、なおさらね!

そこあに「オーバーロードIII」 #547
「そこ☆あに」547回目は『オーバーロードIII』特集です。 原作は丸山くがねによるライトノベル。小説家になろうに掲載した小説を、書籍版として一部設定・ストーリーを変更したもののアニメ化。 2015年7月スタートの1期から少し時間をおいて2...

■人類に味方しない、異色の異世界転生もの
くむ「この作品、勘違いしがちなんですけど、別にアインズ・ウール・ゴウンは人類の味方じゃないですからね。普通にアニメを見ている感覚でいると、8話あたりで『ええっ?!』みたいな」
蒔田「その前の話数からちょっと嫌な予感もしていたけど、でもさすがにフラグも立ってたから…」
くむ「だって、豪華声優陣だったでしょ、また」
蒔田「いやほんとに、すごい勢いで死んで行くな!」
くむ「アニメって、敵・味方という感じで見ることって多いと思うんだけれど。アインズは主人公だし、味方だと」
蒔田「何の?」
くむ「そこを勘違いしちゃいけないよ、と」
蒔田「僕、2期も見直してみたんですけど、なんだかんだでリザードマンの主要人物たちは生き返ったじゃないですか。その後、王都の話とか、セバスが助けた女の子のこともあって。なので、印象に残っているところでは結構救うことが多いんですよね」
くむ「なんだかんだ言いながらね」
蒔田「で、最初にカルネ村が襲われた時には、エンリの父親たちは救わない理由がちゃんと説明されていましたよね。その後で、なんだかんだで立ち直っているカルネ村が登場したりとか。フォローはあったわけですよ」
くむ「だからこそ、この3期のワーカー編というのは結構衝撃だったんじゃないのかな、という気がしました」
蒔田「そうですねえ…もう、死んで仕方ないかな、という人もいれば、この人まで死ぬの? この死に方はないんじゃないの?みたいなのもいっぱいいましたね」
くむ「ここからが『オーバーロード』かな、という気がしますけれども」

■分厚い! でもがっつり楽しめる原作も超おススメ
くむ「1期を見て原作に手を出した人はたくさんいたんだろうと思います。私は2期を終えてからではありましたけども。原作、めちゃくちゃ面白い!」
蒔田「書籍版もですか。Web版も面白いです」
くむ「Web版読んでおけば良かったなと思ったくらい。どっちも見比べたかったな感はありますね。いやでもね、この描写の濃さをアニメ化するのって、ホント大変ですよ」
蒔田「そうでしょうね。ていうか、オーバーロードの重要なところって結構“溜め”にあると思ってたんですけど。アニメで見るとちょっと展開速いなと。でも、アニメしか知らない人たちはそれをちゃんとそれを楽しめるように作られているという感じはします」
くむ「そうね、1期を小説で読むと、この流れがあってこういうことがあったんだ、というのにかなり気づくことができたんですけど。アニメを見ているときは別に、速いなとか、この間に何があったんだろうという疑問点は、なかったわけじゃないけれど、あまり気にしないで見れるような作りにはなっていましたね。アニメ化した時に、映像として山になるような部分をちゃんと選んで、間を組み立てて行ったのだとは思うんですが。それが1期はちょうど上手くはまっていたんだと思うんですよね」

■強大なる魔王、でも中の人は一般人
くむ「アニメで次のクールがあるかどうかはともかくとしてですよ。この後、(原作では)まだ来ますからね」
蒔田「ああ、そうですね。原作を知っているからあぁと思うんですけど、3期の予告が流れた時に後ろで泣いていた動物とか。もう嫌な予感しかしない。まあ、正義の味方ではないよね…という」
くむ「そういう風に考えると、このワーカー編がジャブくらいですよ、本番に向けた。別にこれは正義のお話じゃないよ、という(布石の)ような感じですよね」
蒔田「ダークヒーローということでもないですよね。結局はアインズ様は自分たちの利になることしかやってないわけですから」
くむ「そうなんですよ。別にこの世界をなんとかしようとも思っていませんしね。悪のヒーローとも言いづらいですよね」
蒔田「単純に魔王ポジなんだよな、っていう。その魔王ポジションに一般人・鈴木悟くんが入って、超有能な部下たちに自分の無能さがバレないように奮闘するというところは面白おかしいところ、ということですよね」
くむ「その割には人が死にすぎだよ、という感じはありますけど(笑)。そこの差を楽しめるかどうかがこの後のオーバーロードを楽しめるかどうかにかかってくるのかなとは思いますね。これ、最終話まで見たときに、ひでえと思うかもしれないと思うんだ」
蒔田「いや、でも僕は大好きなんで、アインズ様、何しても許せる!」

アインズ様のハイスペック無双っぷりと中身の凡人っぷり、一方で自分たちの敵に対しては徹底して力でねじ伏せる。そんなギャップがこの作品を楽しむポイントになっています。3期ではついに異世界でその名を広めることを決意したアインズ様ですが、優秀すぎる守護者たちの誠意ある忖度がどこへ向かうのか…。続編または劇場版も期待したいですね!

(笠井美史乃)

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