今週は、青田買いでも推しの一つだった作品『Infini-T Force』を特集。伝説的なタツノコヒーローたちが華麗に戦う和製アベンジャーズ……だと思っていたら、ずいぶん奥の深いSF的展開になってきましたよ。昭和ヒーローの外連味と現代の3DCG表現。ヒーロー時代の中心にいた彼らとヒーロー不在の今を生きる彼女。そんな対比が新たな魅力を生み出しています。
■アベンジャーズと思いきや、しっかり日本のヒーローでした
那瀬「アプローチの仕方がアメコミっぽくて“アベンジャーズ”という言い方をしてしまったけれど、見ているとやっぱり日本のヒーローだなという。昭和ヒーローの美味しいところを抜き出していると感じるんだよね」
たま「アメリカっぽいと感じたのはデザインだったりするのかな」
那瀬「でも、世界観が色々混ざり込んでいて、日本だとかアメリカだとか、そういう固定概念をぶち壊される面白さだなと思ってます。向こうの人はどういう風に感じるんだろうね、この作品」
たま「ちょっと気になるよね。自国のヒーローとはものの考え方とかが違うから、新鮮だったりするんですかね」
那瀬「最初は向こう受けだなと思った割には、日本人の心をくすぐる作品作りになっているなと。クライマックスを迎えそうな今、結構そういうストーリー展開じゃない?」
たま「アメリカのヒーローって悩む人ってイメージがあるんだけど。日本のヒーローはやっぱり揺るぎないというか、前を走っていく人というイメージがあるから、どんなに揺らいでも、割と早く立ち直るというか、最後は戻って来るんだよね、みんな」
■みんな20代なんだけど、昭和臭がすごい
くむ「(作中で)おっさんと呼ばれているガッチャマンの健ですら、24歳の設定ですからね。30くらいかなと思っていたんですけど。テッカマンは22歳、ポリマーは二十歳ですよ」
たま「そこを一つ弁解するなら、若い子から見たら自分より年上、二十歳越えたらみんなおっさんなんじゃないですか? そういう生き物じゃないですか、女子高生って」
くむ「いやいや、多分ね、健から漂う昭和感ですよ。あれがおっさんなんですよ」
たま「一人だけちょっと昔から来てますよね。私、IHヒーターがわからなくて、鍋を掴んでてジュっとなるとことか、すごい好きでしたよ、可愛くて。おじちゃーん!という」
くむ「さすが昭和生まれだなという感じがね(笑)」
たま「すぐ『それは女の仕事だ』って言っちゃうところ、昭和のお父さんみたいになってる」
くむ「そら怒られるわっていう。でもその彼がだんだんと、やはりヒーローだなという感じを見せてくるところがカッコいいですよね」
■個性際立ってます!オリジナルの敵キャラたち
那瀬「味がありますよね、みんなそろって。私、もう最初に『タ〜ケ〜シ〜』が口癖になりましたからねえ。ねっとりしてるなぁこいつ、と思いましたね」
たま「わかる!だって本人の名前が思い出せないのに”『タ〜ケ〜シ〜』って言う人”っていうのだけすごい忘れられないもん。あのルックスと、タケシの言い方で全部持って行きましたよね、彼」
くむ「どう見てもお前悪役だろうっていう感じだったからね(笑)」
那瀬「敵キャラの出方がすごい独特だったなっていう。ボスがボーンと出て来て、幹部がサイドに立っている、とかじゃなくて、最初から出て来たじゃないですか、ダミアン・グレイとか。シリーズ構成が面白いなと思いますね」
美樹「でもどの敵キャラも心から憎めないバックボーンがあるところがいいなあと思って。むしろ私、敵の方が好きなんじゃないかと思ってます」
くむ「そうね。ダミアン・グレイだって、元々は正義の方だったわけでしょ。そっちでナンバーワンになれないのなら、悪でもいいからナンバーワンになりたいっていう感じ。と本人は言っていましたけど。これも最後どうなるのかわからない謎の存在ですよね」
那瀬「ラジャ・カーンとベル・リンはケリがついてしまいましたけど」
くむ「ラジャ・カーンの過去も、え、そんな重い話なの?っていう話だった。彼のバックボーンにも正義と悪があるわけじゃない」
たま「キャシャーンに対応して出てきた敵と考えたら、あれくらい重くなりますよね」
くむ「納得できる対比ですよね」
物語もいよいよ大詰め。ラスボスとの戦いはもちろんですが、劇場版『劇場版Infini-T Force/ガッチャマン さらば友よ』もとっても気になります! TVシリーズ以降の彼らの世界がどうなるのか、「さらば」の言葉は誰に向けられるのか。こちらも楽しみに待ちたいと思います!
(笠井美史乃)