2期から見る? それも正しい判断です。 そこ☆あに『モブサイコ100 II』特集まとめ

今週は、いよいよ佳境に入り始めた今期作品から『モブサイコ100 II』を特集。2016年夏アニメとして放送された1作目から2年半。相変わらずハンパないクオリティでファンを魅了しているわけですが、何かちょっと雰囲気が違うかな、と思っていたら…!! なかなかハードな展開に、これは1期から見直さざるを得ない? 正しい判断です!

そこあに「モブサイコ100 II」 #573
「そこ☆あに」573回目は『モブサイコ100 II』特集です。 原作はONEによる漫画。裏サンデーコミックス2017年12月に全16巻で完結済み。 TVアニメシリーズ1期は2016年7月から12話放送。2期は2019年1月より1クールで放送...

■1期に戻ってみて気付く、モブこんなに成長してる!
くむ「那瀬ちゃん、2期からなんですよね。2期だけでも、キャラクターのことさえわかれば十分面白いんじゃないかな。作り方的にも、2期から見ても大丈夫なように作っているはずなんですよ」
那瀬「そうなんですよね。私としては、モブくんというキャラクターが、1期は受け身の姿勢が強くて、それが動き出したところから2期が始まる気がしているんですよ。だから、2期から見る人って美味しいところから始まるというか」
くむ「これから成長するのが見えるところからスタートですもんね」
那瀬「だから2期はメインディッシュからスタートするような、そんな気持ちで見ていたんですけど。やっぱり、私は8話を見た後にすぐに1期を全部見ました」
くむ(笑)
那瀬「これはちゃんと前を知らないと楽しめないわって思わされちゃったので。そういう意味でもすごくうまい構成になってますよね」
くむ「このタイミングで『爪』の元第7支部のメンツが大量に出てきたわけなので。彼らのことを知らないと、わからないよね」
那瀬「そうなんですよ。1期を知っていればもっと美味しいっすよ!と出されて、見事に一気見しちゃいましたよ。2期を知った上で、こいつらが誰か早く教えてくれと思ったから楽しく見られたのかもしれないけど、この見方も私はおすすめですよ」

■人として成長するモブ。そのとき、師匠・霊幻は
那瀬「不思議と、1期ではこの2人の関係性は描いていないんですね。当たり前になっているというか」
たま「まあ、出会いのエピソードからなんとなく読み取ってください、という感じではありますよね」
那瀬「普通、主人公2人の関係が出来上がっていくのを1期にして、その後2期で周りのキャラクターと、という感じの順番が多い中で、すごい不思議」
たま「元々、霊幻がダブル主人公の片方だから、というのもあるのかな。もう仲はいいんだけどなんで仲がいいのか、だんだん核心に迫っていく部分でもあるという」
那瀬「ああ」
たま「私、2期でびっくりしたのは、霊幻がバッシングを受ける回で、あそこで初めて友達になれたんですよね、あの2人って。じゃあそれまでって一体なんだったんだろう、という。友達…だったはずなんだけど」
くむ「師匠じゃない? やっぱり」
たま「そう。師匠なんですよね。やっぱり道を示してくれる人なわけじゃないですか。で、どっちかといえばそれに乗っかっていくだけだった人間が、あそこで初めて対等になったっていう。そういう意味では、まだ1期って未成熟なんですよね」
那瀬「ダブル主人公というのが、いい意味でも悪い意味でも別々のラインだったものが、2期になって重なるというか、2本が合わさるような感じになったのかな」
たま「あと、霊幻自体の抱えているものみたいのが露出し始めたのも2期からかな。1期のエンディングが霊幻の視点でしたけど、色がない世界を生きていた彼が、モブに出会って色がつくという仕様になっているのも、まあそういうことなんでしょう、っていう。出会いで変わったのは、何もモブくんだけじゃなかった、というのを描いているようで」
那瀬「なるほど。1期だけだとそれは感じられなかったかもしれないな」

■最終回の決着は? その先の2人の着地点は?
くむ「最終的に『爪』が世界征服して終わることはないと思うけど。結構人情話に持って行ってるじゃない、この作品て。親子の話も書くだろうし」
那瀬「でもね、その先の、モブくんと霊幻の着地点が私はまだ全然見えないんですよ。ある意味、モブくんがすごく大人になって、霊幻とお酒飲んで昔を懐かしむみたいな図は想像できるんです。でも中学2年生のモブくんは、どうやって霊幻との関係を決着つけるんですかね。中2って、まだ大人のことを自分とは別の生物と思っている微妙なラインというか。大人も昔は中二だったんだというマインドになれるかなれないかの年齢じゃないですか。なんかそこってエモーショナルですね。エモいですね!」
たま「ですねえ。この歳になると思いますけど、大人ってそんなに大人になれてないから。モブくんと同じくらいの年頃にモブサイコを見てたらどういう気持ちになったんだろう、みたいなのはすごい考えますね」
くむ「霊幻て、いそうな大人ですよね。すごくわかるっていう気がする」
たま「彼20代後半じゃないですか、自分が何になりたいのかって一番考えてる時かもしれないでしょう。30くらいでそろそろ人生明確に固めないとまずい、みたいなタイミングだったりする。いくら霊幻がハイパーだったとしても、やっぱそろそろ何かを定めなくちゃいけない時、かな?と思うので。すごい等身大な大人、という感じがするんですよね」
くむ「大人側から見ると、非常に納得のいくキャラクターなんだよね。どういう最終回を迎えるのかは、本当に楽しみですよね」

改めて1期を見直してみると、モブくんの変化がハッキリ見えてくるだけでなく、アクション寄りな演出が多いと思っていたストーリーの中にも、しっかりと2期まで続く物語の核心が描かれていたことに気付きます。まさに、2クール分の積み重ねがいよいよ活きてくる展開。今これを見ない? あなた、呪われますよ?!

(笠井美史乃)

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