ゲームの世界をより奥深くへ広げる そこ☆あに『ポケットモンスター ソード・シールド』「薄明の翼」特集まとめ

今回は、オンラインで無料公開中の『ポケットモンスター ソード・シールド』オリジナルアニメ「薄明の翼」特集です。約6分20秒ほどの短編ですが、豊かな世界観と表現力ある人物描写によって非常に奥行きのある物語が紡がれています。同時に、新作ゲームのプロモーションとしても多くの人を魅了する演出がたっぷり。短編の、しかもシリーズ1本目だけでこんなにトークが盛り上がるとは!

そこあに「ポケットモンスター ソード・シールド 薄明の翼」特集 #622
「そこ☆あに」622回目は『ポケットモンスター ソード・シールド』「薄明の翼」特集です。 Nintendo Switch用ゲーム「ポケットモンスター ソード・シールド」を元にしたオリジナルアニメ。ゲームの舞台である「ガラル地方」で暮らす若者...

■スタジオコロリドが描く、繊細で温かく憧れの詰まった世界
那瀬「生活感のある中にも、アニメ的な憧れがしっかり描かれているのが、ときめくわ〜。リアルと夢のバランスがちょうど良くて、希望のある明るい気持ちで見られるんですよね」
仮面「そこに行きたい、居たいな、という感じはすごいする」
くむ「この映像も相まってね。これ、子供が見ても絶対に楽しめるけど、大人が見るとより楽しめるんじゃないかっていう絵じゃないですか」
仮面「ほっこりできますね。『ペンギン・ハイウェイ』も確かにそうだったなと。子供が見てもわかるし、大人が見ても楽しめるというのは共通していますよね」
くむ「今までポケモン(アニメの制作を)やったことがないスタッフがつくっているわけでしょ」
那瀬「多分、年齢層的に若いので“ポケモン楽しんだ勢”ばかりで作っているというのは絶対あると思います」
くむ「ああ、そういうことですよね! アニメでは関わっていなくても、ポケモンをゲームとしては楽しんでいたから、なおさらというのはあるんでしょうね」
那瀬「こうだったらいいな、という思いが本当に込められているなと思います」

■映像、音楽、ストーリーが三位一体になる強さ
くむ「6分くらいしかない作品で、ここまで物語って描けるんだ、というね」
那瀬「説明的なカットがなくてすごくさりげないと言いましたけど、ジョンの病気についても何も語られていないじゃないですか。でもここ(階段の途中)で苦しむというアクション、もうこれだけで勝手にこっちが想像しちゃう。すごいですよね、セリフもなくて」
くむ「結構きつい病気なのかな、という。他の子供たちはパジャマじゃなかったもんね」
那瀬「で、屋上まで行って。ローズさんが戻ってきた時に彼は倒れるじゃないですか。嬉しくてか、ほっとしてか。そこでもアクションで彼の性格であり病気を描いている。短い中に凝縮されているなと思いますね」
くむ「助けに行っちゃうでしょ、アーマーガアが。あそこはかっこよかったよね」
那瀬「かっこいいし、ポケモンと人との熱いものをあそこだけで感じてしまいます」
くむ「アーマーガアはジョンと知り合いでもなんでもないわけだからね」
仮面「しかもローズさんに対して威圧してましたね。(タクシーの)おじさん以外に懐かないという描写がありましたから」
那瀬「うん、見事な構成ですよね」
くむ「これはジョンがこの後、ポケモントレーナーになる道があるのかと思わせるようなシーンじゃないですか」
小宮「それも感じますし、今回の『ソード・シールド』って、ポケモンを見る、観戦するという面がすごくフィーチャーされていると思うので。バトルを見る側の立場としても夢をもらえる展開が想像できるのも面白いなと思いますね」

■ゲームの世界がより深くなる、販促アニメとしても秀逸
小宮「私、この『ソード・シールド』をプレイしているんですけど、ゲームとのつながりも感じますよね」
仮面「今回、ポケジョブという新要素が出てきて。お店とかからの依頼に対して適したポケモンを選んでバイトしに行ってもらう、みたいなシステムなんですけど。おそらく、キテルグマ(荷物を運んでいたクマ)なんかはそれで病院に来ていたんだろうということが読み取れたりとか。そういう点がアニメにも取り込まれていたのはいいなと思います」
小宮「今回から、バトルのシーンがスタジアムのような場所になってますよね」
仮面「ジムリーダー戦とか、大きいバトルになると、スタジアムの観衆がいる中で、テレビも放送しているんだろうと思われるところで戦うという。応援歌なんかも流れたりするもんね」
小宮「登場のシーンとか。ユニフォームも変わるじゃないですか。結構それがサッカー的な。スポーツ観戦というか。そこもアニメに取り込まれているなと感じます」
仮面「アニメで特別な人というと勇者になったりするわけですけど、『ソード・シールド』ではちょっとしたスター選手になることで。勇者になるのとスター選手になるのでは、周りからの見られ方が違いますよね。で、この作品ではそれを観戦する側の人たちの姿を見れたから、より(世界観が)深くなった感じがしますよね」
小宮「だからプレイしている側から見ても、このアニメとセットで楽しむと世界観を広げられますし、そこまで込みでゲームをリリースしたんだろうなというのも感じています」


番組配信後の2月18日からは、第2話の公開がスタートしました。時系列的にはつながりながら、第1話とは全く違う場所へと舞台を移して描かれる物語。1話見るごとに、ポケモンとこの世界への思い入れが深みを増していきそうです。

(笠井美史乃)

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