異色のスタッフが紡ぐ、アクの強い現代日本神話 そこ☆あに『ひそねとまそたん』特集まとめ

今週の特集は、まさにグッとドライブがかかったタイミングの『ひそねとまそたん』です。なんだか意味不明なタイトル、ビッグネーム揃いかつ異色の取り合わせなスタッフ陣、かわいらしいキャラクターなんだけど自衛隊……これほど、見るまで全く想像もつかなかった作品は他に思い当たりません。そして、始まってみれば第1話から不思議なバランスにがっつり引き込まれる人続出! その魅力の本質は一体どこに?

今回は第8話「期間限定!激辛おばあさん味」まで視聴済みで収録しています。まだご覧になっていない方は、ネタバレを含みますのでご注意ください。

そこあに「ひそねとまそたん」 #533
「そこ☆あに」533回目は『ひそねとまそたん』特集です。樋口真嗣総監督、脚本・岡田磨里、BONES制作という布陣で放送前から話題を呼んだ本作品。そこへキャラクター原案・青木俊直、キャラクターデザイン・伊藤嘉之、メインメカニックデザイン・河森...

■斬新……アクが強く好感度の低い?! 主人公・ひそね
那瀬「やばいヤツですよね、現実にいたら。最初、おおお、大丈夫か大丈夫か? みたいなハラハラ感というか。すごい心配になったじゃないですか」
くむ「ひそねに共感はないって思う。なかなか」
那瀬「と、思っていましたよ、第1話の時は。という言い方を今はしてしまうこの感じ」
くむ「ひそねが可愛いかと言われても、いやあ、この主人公で大丈夫かなあって思うようなキャラクターなんだけど、作品としてすごく魅力があるというか、魅せられてしまっているので、なんかやられたなっていう」
那瀬「まあそうですね。第1話で感じたものが、どんどんストーリーを追うごとに覆されていくという。最初はひそねに、おいおいそんなこと言うなよって思っていたんですよ。それが最近はだんだん、ひそねよく言った! になってきているんですよ」
くむ「確かにね」
那瀬「だからすごく気になったのが、ひそねのキャラクター、こんなやばいヤツが、適材適所的に生かされる舞台を作ったんですかねえ。それともやっぱり、自衛隊ありき? お題としては自衛隊と怪獣でしたっけ、樋口さんが最初に挙げたのは。そこにフィットするひそねを作って、こんなに上手に回っているのだとしたら、やっぱ岡田さんすごいなと思っちゃいますね」

■最初から怪しかったジョアおばさん、さらなる謎が…
くむ「ていうか、樋本貞さん、おいくつなんですか?」
那瀬「74年前、ですよね」
くむ「そうそう、74年前にDパイをやっていたわけでしょ。てことは、74年前に従軍できる歳だったということですよね。て考えると…」
那瀬「90は超えてないとおかしい!」
くむ「いくつなの?!なぜ今だにヤクルトレディをしているの? ドラゴンに飲み込まれると、寿命が伸びるとか?」
那瀬「あ、そういう仕組み?! ここまで結構リアルだなとか思っていましたけど、そんなファンタジー要素が」
くむ「それは分からないですけどね。あの元気さから考えると、年齢的にはちょっと不思議だ感はありますよね」
那瀬「前回の作戦に従事され、ただ一人残られた、というのは、他のみなさんは…老衰して生を全うされたのか、何かあったのか、というのはまだ分からないですからね」
くむ「ここにくるまで、若干怖い要素はあったじゃないですか。だいたい中にいるだけで溶けちゃうわけでしょ、スーツ着ないと」
那瀬「ああ、確かに」
くむ「なんとなく、人身御供じゃないけれど、彼女たちはいずれ取り込まれてしまうとか、そういう何かがあるのか。もしかしたら危険も付いて回っているんじゃないかみたいな。そういう要素もあるのかな?と思わせてきたような気がするんですよ」
那瀬「なんか、私はもう騙されてました、このほんわか感に。考えてなかった…」

■展開が一気にザワついた8話、時短は非推奨ですよ〜
くむ「というか、オープニングが違うじゃないか!」
那瀬「びっくりしましたよね」
くむ「あれ、オープニング飛ばしている人は分からないよね」
那瀬「最初の方は今までと一緒ですからね」
くむ「タイトルから違うからね。『少女はあの空を渡る』から『少女はあの空に惑う』に切り替わりましたから」
那瀬「そんな切り替わり、気づかないよ!」
くむ「空飛ぶクジラみたいな、白鯨のような感じなのものがミタツ様ということでいいんでしょうね。なんか、ゆっくり飛ぶという訓練とは全然違うような雰囲気じゃありませんでした?」
那瀬「そう、あんまり結びつかなかったんですよね、8話で見た内容と。あれがミタツ様?という」
くむ「抑えなきゃいけないんじゃないの? 何かがあって。ボンズらしい映像で、おお、すげえ!というのがくるのかもしれない」
那瀬「なんか怖そうですねえ」
くむ「最後がどういう終わり方になるのか、想像はつかないですよね。道はなんか見えてきたけれど」
那瀬「いや本当、あながち岡田麿里だから…みたいな。笑えないですよ。結構ひそねに愛着を持っちゃっているから、彼女が怖い目に遭うと思うと、今からハラハラしちゃう」

胡散臭すぎる飯干、突然現れた巫女たち、Dパイ側とはなんだか隔たりがありそうですが、そこをつなぐ小此木は…? 衝撃の折り返しを迎えたところで、この先まだ一波乱、ふた波乱はありそうな雰囲気です。エンディングも度々小技が効いているので、最初から最後までじっくり視聴したい作品です。

ちなみに、エンディングの原曲はこちら。1966年のフレンチポップスです。
「Gold Music Story: Baby Bop」フランス・ギャル

(笠井美史乃)

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