今週の特集は、劇場版第2章『コードギアス 反逆のルルーシュ II 叛道』です。2時間越えの尺にこれでもかと見所が詰まった特濃仕立てで、思った以上にストーリーが進んでおります。残念ながらカットされているパートも多いのですが、際立つ部分はより際立つ構成になっているのもまた魅力。『I 興道』を見てコードギアス熱が復活したそこ☆あにスタッフが語ります!
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■テレビシリーズあってこそ楽しめる視点の総集編
蒔田「僕は133分飽きなかったし、知っている話なのに面白かったんですけど、後半の展開が爆速で、初めてみる人はツラそうって思って見ていました」
くむ「そうなんですよね。劇場版て、テレビシリーズが長い場合はそれをぎゅっとコンパクトにまとめてその世界観を十分味わえる、みたいなメリットがあるじゃない。だから劇場版の総集編を否定しないわけですよ、私は。でも、これに関しては代わりになるのか、って言われたらならなかったなという気がしました」
たま「完全なるテレビシリーズの副読本というか、補完という感じだったと思うので。ご新規さんお断りでございます、と言われた感はあるんですけど。逆にいえば、私は記憶の扉の脳トレが激しく行われたので、見終わったときにちょっと気持ちが良かったですね」
くむ「そういう見方もあると思うんですよ。昔からのファンにとっては、あれ?あれ?っていう部分がね。そういうことを思い起こさせるような作品だな、と。I(『興道』)から初めてコードギアス見ます、みたいな感じだと、このIIに関しては、ちょっと置いてきぼり感を食らう部分が」
蒔田「ありますね」
くむ「初心者の方に新たに入る場所として劇場版からどうぞ、と言いづらい感は今回出たかな、という気は少ししました」
たま「私はこれだったら、劇場版の1作目を見てコードギアス面白いと思ったら、テレビシリーズを全話見て欲しい、という勧め方になると思います」
くむ「なるほどね、そのためか」
■あれをやらないワケにはいかないのです…
蒔田「ユーフェミアにギアスがかかったあたりで、映画館で隣で見ていた女性の方が泣いていらしゃったんです。こっちも、見るのが辛いって思いながら…」
くむ「今回改めて思うけど、ここであのギアスが暴走しなければ……って。テレビシリーズの時とまた違う感覚で見ているからなのかもしれないですね」
蒔田「テレビの時は僕らも初めて、こんなところでこんなことになってしまったの?という気分でしたけど。後々を知っている今は、これさえなければ、というのがね」
くむ「歴史を知っているわけですからね。今回の映画の歴史は変わるかもしれないけれど、少なくともこのタイミングまでの歴史は知っているわけだからね」
蒔田「やっぱり、ここがうまく行っていればな、というのは如実に来ますよね」
くむ「ルルーシュが折れた後だったんだよね。最初は乗っかる気はなかったんだけど、実際、ユフィの考え方に対して、認めて、じゃあどう新しい戦略を練って行くか、と考えるところまで行った後の衝撃なわけなので。それはルルもおかしくなるわ」
たま「そもそもあそこで、折れちゃうような甘さがある人だったというところにアレですからね」
くむ「そうなんですよね。結局、中途半端な優しさが彼の弱みじゃない」
蒔田「いいところなんですけどね」
くむ「そこがルルーシュというキャラクターをここまで人気者にしたんだろうとは思うんだよね。自信家でありながらもそういう隙を持っているというところが」
■声優さんの演技の変化も見どころ
蒔田「僕、今回のバトレー、めっちゃ好きなんですけど。テレビシリーズではこんなに印象に残ったっけ? と思うくらい、今回は可愛らしいというか哀れというか」
たま「わかる!気の毒だなあと思うくらいには好きでしたね。最後にオレンジくんに見送られるところも込みで。わたしは井上倫宏さんの演技を久しぶりに聞いて、すごくいいと思ったんですよね」
くむ「シュナイゼル、怖かったよね、やっぱり。冷たさみたいな感じが」
たま「最初から、あ、これは気を許しちゃいけないやつだ、っていう空気がプンプンしました。特に今回は、うわぁヤなやつ!って感じしましたよね」
蒔田「でも音は柔らかいんだよなあ、っていう」
たま「ね!あんなに優しげに言っているのに、この人本当に優しい人じゃないんだなって分かるの、すごいなと思って」
くむ「演技を組み立てる時ってさ、最初から最終話まで全部知った上で組み立てるのがいいパターンと、知らないからこそキャラクターになった気持ちで組み立てるパターンと、どっちもあると思うんですけど。結果的にみんな知っているわけじゃん、この作品は」
蒔田「そうですね、1回やっているわけですからね」
くむ「だからこそ、やはり新しい組み立て方というのはその人の力が出てきますよね」
とにかく展開が爆速なことは間違いないので、コードギアス初見の方や記憶の扉を開けきれない方は、5月公開予定の最終章までにテレビシリーズを復習しておくのがオススメです。最終回から今年で10年ということもあり、見直すにはいい機会かもしれませんね。とはいえテレビシリーズ通りには終わってくれなさそうな気配も漂っているだけに、最終章の展開がますます楽しみです!
(笠井美史乃)