異世界グルメとは逆の発想! 普通の洋食を食べる異世界人たちの物語 そこ☆あに「異世界食堂」特集まとめ

今週は今期新番組からの1本目、『異世界食堂』です。異世界もの? グルメもの? そのどちらでもあるようでいて実は……? いずれにしてもお腹が空くことは確実ですね。ちょっとした謎も気になりつつ、やっぱり食べ物が美味しい作品には癒されます。美味しいもの好きは異世界人も同じのようですが、なるほど、そっちか!

そこあに「異世界食堂」 #490
「そこ☆あに」490回目は夏アニメ新番組から1本目『異世界食堂』特集です。原作は犬塚惇平によるライトノベル。小説家になろうからの書籍化作品。週に一度土曜日だけ異世界に通じるドアのある洋食屋「洋食のねこや」店主のつくる料理を求め、そこに集まる...

■いつもと違う見方で、普通の洋食が新鮮に見える
小宮「異世界人が食べているというところに、今日本で食べられているご飯の新たな発見があるなあと。よくテレビで見るグルメ番組の感想とはちょっと違うじゃないですか」
くむ「現地にないものを食べている、それがあるからこそこのドラマを異世界モノとしてやっている意味があるわけだからね」
たま「グルメアニメだと知っている料理でもめっちゃアレンジしたり、驚きの食材を使いました、みたいなのがないと、どうしてもサプライズって表現できなかったりするじゃないですか。でも、お客さんがそれを見たことがない、というのが。なるほど、こういう道があったのかと思って」
くむ「だって、特別なもの作っているわけじゃないもんね」
たま「そこがいいんですよね。次の日に自分で作る、もしくは食堂で食べられるメニューばっかじゃないですか。つい食べたくなりません?」

■たくさんの異世界人、名前より推し料理で覚えてます
たま「みなさん、推し料理大好きすぎじゃないですか?」
くむ「週に1回しか食べれないからこそ推し料理なのかもしれないし。原作によると実は推し料理以外も食べているらしいと。でもアニメではいつも同じものしか食ってないですよね」
たま「エビフライさんはエビフライさんですし、カツ丼さんはカツ丼さんです」
くむ「店主のおまかせランチとか、俺の好きな料理を作ってくれ、で十分なんじゃないかな。あの店主なら好みを分かった上で新しい料理を出してくれるんじゃないかという気もするので。でも物語的には面白いかもしれないね、同じものをずっと食うという」
小宮「オムニバスで、キャラクターが覚えやすいので。次に出た時、この人エビフライの人って覚えてるじゃないですか」
くむ「まず名前で覚えてないよね」

■見所は料理、よりも人間(人外?)ドラマ
くむ「声優陣、めちゃ豪華ですよねこのアニメ。作品の中でどこを見せて行ったら一番面白くなるんだという部分で、声優にガッツリとお金を配分したというのは、よくこの物語をわかった上で作り上げてるなという感じがしますよね」
たま「そうですよね、この作品てご飯に一番力を注ぐものじゃないというのは結構大事なところなのかなと思っていて。確かにご飯の描写は大事なんですけど、一番じゃないじゃないですか。キャラクターの動きもあまりないし、そもそも食堂からあまり出ないし」
くむ「なんか、舞台見ているような感じなんですよね、このアニメ」
たま「うんうん、異世界でファンタジーという要素が入っていますけど、見ているとそういう人間ドラマの方に主眼が置かれていて」
くむ「だからちょっとタイトルで騙された感はあるんですけど、結果的にこの物語だからこそ成り立つものになってる。あれにも似ているこれにも似ているじゃないものが出来上がってよかったんじゃないかな。良いアニメ化になったんじゃないですか」

1話につきショートショート2本分のボリューム、1話完結のオムニバスなので、どこから見ても大丈夫。サブタイトルのお品書きからお好みの話数を選んで見るのもオススメです。美味しくて、ちょっと暖かい物語。ごく普通の洋食メニューが、しあわせな一皿に思えてきますよ。

(笠井美史乃)

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