2018年、あけましておめでとうございます。本年もそこそこよろしくお願いいたします。
さて、今回お届けするのは2017年最後の配信となりました『ネト充のススメ』特集Part2です。前回は第6話まででの特集でしたが、その後もグイグイとストーリーは進み、これは最終回特集だけでは語りきれない! ということで最終回を迎えた後のパート2特集となりました。オトナのファンの気持ちをつかむ魅力、どんなところに感じましたか?
■脚本が目指したのは「トレンディドラマ感」
くむ「なるほど、だから結構年齢層が上の人たちが引っかかるドラマになっているのかなという気がしました。(トレンディドラマは)意外と恋愛モノでありながらも、こんなハッピーエンドばかりではなかったけど。でも、付き合うまでの過程では、確かにトレンディドラマ的要素はこの作品をある種成功させた部分なんだろうなという。二人の距離感のくっついたり離れたりとか。プラスして、何より小岩井ですよね。」
たま「いい仕事してましたね、彼」
くむ「ああいうキャラって確かにストーリーを回すのに要るわけですよ、ドラマの中に。やっぱり二人だけじゃ物語回らないからね」
たま「あとトレンディドラマといえばすれ違いだと思うんですけど、そこも現代に落とし込みながらうまくやっていましたよね」
くむ「当時は携帯がない時代でしたからね。今はすれ違いはかなり起きづらくなっている。でも起きづらいながらもちゃんとすれ違いの表現をすることによって、もやもやしたりするわけでしょ。うまいなっていう感じで描かれていたと思うんですけど」
小宮「最近のアニメだと次回予告がないものもある中で、この作品はドラマとかの次回予告に近いなと感じていて。次回予告までが1話の話の中に収まっていて、うまくミスリードされていたりとか、次の話に対する期待感を上げてくれる存在になっていて、そこも毎週面白く見ていました」
くむ「綺麗なフリになっていますよね」
小宮「いいとこ使っているんですよね。次の話を見てから見直すと、ここ使ってた!いうのが結構面白くて。私は次の話を見た後に次回予告を見直していました」
くむ「その辺は確かにドラマ的と言っていいのかな。うまい作りですよね」
■結果的にGJ? コンビニ店員・八代さん
美樹「あの人がひどいことを言ったから、傷ついて涙流して。でもあそこで傷心しないと、森子はわざわざ桜井さん家まではいかなったんじゃないか、と思うので。ひどいこと言ってましたけど」
くむ「そうね、これありなのか?というシーンではありましたよね」
美樹「おばさん特有の、そんなに意識せずに言ったことだと思うんですけど、もうちょっと言い方あったじゃんて思いますよね。彼女ですか?って言えばいいのに、彼女じゃないですよね?って、ひどい!と思って。あれは辛かったです、見てて」
くむ「しかも二人が帰った後に、カンベの藤本くんにいうじゃない、あれもデリカシーねえなあ」
蒔田「おばちゃん的にはあれですよね、かっこいい金髪碧眼のちゃんとしたサラリーマンの若い子と、神ボッサボサで昼間から来る、この人何してるんでしょ?みたいな女性とだったら、さすがに結びつかないという」
くむ「でもそれって、先の話になってきますけど、釣り合うような人にならなきゃ、みたいな部分にも繋がっていくのかもしれないですね」
美樹「やっぱGJでしたね」
蒔田「確かに! 時には残酷だけど現実を突きつけてやる役がいるってことですね。でも、いいと思いますけどね。好きな人ができたからとか、この人に認められたいとか、そういうので自分を変えて行こうと思えることは、素敵ですよ」
■もっと広げて見てみたい、キャラクターの背景
くむ「普通こういう作品で出てきそうな森子の親友、女友達というのが、一切出てきませんね」
蒔田「いねえんだわ」
たま「いないのかな。あるとしたら、この世代だと周りがもう結婚しているパターン」
くむ「そっか!」
たま「子供がいたりとかすると、連絡できないじゃないですか」
くむ「愚痴聞いてくれる友達とか、飲みにったりとか、そういうことすらもなくなっていき、みたいな感じですよね」
たま「結婚しちゃった子は誘いづらいんですよ」
蒔田「わかる」
くむ「なるほど、だから森子の周りに他のキャラクターが存在しなかったんですね」
蒔田「就職して田舎から出てきて一人暮らしとかだと、周りに知り合いなんて、会社の人しかいないですもんね」
くむ「田舎から出てきたのかな」
蒔田「一人暮らしで周りに友達がいないとなると、そんな感じなのかなと。結構、想像の余地がありますね、キャラクターたちって。なんだかんだでゲームしているところしか出てこないじゃないですか」
くむ「他のメンバーね」
蒔田「ゲームかバイトかくらいなので。その割には割と生々しいところが多いから」
くむ「そう、桜井くんの過去だってちょっと生々しい感じがありましたよね。まさかそんな重いんだ、彼のところも。みたいなさ」
蒔田「その辺のバランスはすごくよくできていると思います」
くむ「原作の中でも描かれていなかった部分みたいなものを、アニメでうまく広げることができたのかもしれないですね、キャラクターに対してね」
すれ違い、思い違い、大人だからこその遠慮や臆病さ……。微笑ましさはあっても、中高生の恋愛とはちょっと違うほろ苦い香りもまた魅力。二人のこれからがどうなるのか、ゲーム内でどんな結婚式を挙げるのか、そして他のキャラクターたちは? そんなところも見てみたいと思わせてくれる作品でした。
(笠井美史乃)