燃え上がる! 新しい表現への挑戦 そこ☆あに『プロメア』特集まとめ

注目の劇場作品が続きますね。今週はただいま公開中の『プロメア』特集です。予想を裏切らないアツさ、予想を超えてくる鮮烈な映像表現。劇場の大画面で2時間ぎっしり映像に溺れたい作品です。

※トークはネタバレを含みますので、気になる方は冒頭11分まででストップするのがオススメです。この記事にはストーリーに関するネタバレはありません。

そこあに「プロメア」特集 #585
「そこ☆あに」585回目は2019年5月24日より劇場公開中『プロメア』特集です。 「天元突破グレンラガン」「キルラキル」でコンビを組んだ監督:今石洋之×脚本:中島かずきによる初のオリジナル劇場アニメーション。 突然変異で誕生した炎を操る人...

■見るだけでは収まらない“映像体験”をぜひ劇場で
那瀬「気持ちいいーー!って感じです」
たま「スッキリしたかったらこれを見に行け、っていう作品ですね」
那瀬「私は見に行った映画館のスクリーンが小さかったんだよ。それが悔しくて。大きいスクリーンで、あの映像、浴びたい!」
たま「2Dらしい絵作りの中に3Dを多用していて。回り込む表現とかもいっぱいあるから。大画面でちょっと擬似的な立体感を感じて欲しいですね」
くむ「予告編とかで気になっている方もいるとは思いますけども、多分、小さいモニターで見るのとは全然違いますよね、劇場で見ると」
たま「色も強いですし、視覚全体を使ってがっつりみた方がいいと思いますね。隅々まで見た方がいいな、って思うので」
くむ「逃げられない状況で見ろって感じ」
たま「こっちも全力で見た方がいいな、って思います」
くむ「ちょっと気軽な気持ちで行ったら、おいおい、という感じの作品。しかも2時間休みなし。トリガー作品はめちゃくちゃ好きな人もいれば苦手という人もいると思います。私はどちらかというと若干苦手な方でしたけど、非常に満足度の高い“体験”ができたな、というのが感想ですね。ぜひ劇場に行って、この体験をしていただきたいと思いました」

■展開、人物像、SF設定と、丁寧に重ねきてからの…!
くむ「勢いだけの物語かと思っていたから、バーニッシュの発生した理由がちゃんとしたSF設定で出てきたときに、すごいなと思ったんだよね」
たま「納得できるじゃないですか。で、しかもそれをあれこれ細かく考える時間も与えないじゃないですか。さらにいうなら、ちゃんと説明づけをしたのに、燃やして消せばいいという、力強い、ある種雑な決着をつけるところもいいんですよ。こんなに積み上げたのに、それでいいの? いいんだ…っていう、この感じね。だって考察しようと思えば、プロメアという名前の由来からも結構なるほどと思う理由が叩き出せるようにはなっているんですよ。でも、それはどうでもいいじゃないですか(笑)」
くむ「この物語上は必要ないもんね、はっきり言っちゃえば」
たま「納得できる要素をこんなに蒔いているのに、あ、それ潰していいんだ、という。しっかり練った設定を贅沢に使い捨てる。このダイナミズムが私は好きですね」

■見た目を裏切る? バランス感覚ある主人公・ガロ
たま「ガロのビジュアルを見て、カミナ?って思ったけど、パーソナリティに触れると全然違う。思った以上に理性的なキャラクターじゃないですか」
那瀬「結構、一般人っぽい面が強い気はしたんだよね」
たま「見得を切るところとかはやっぱりちょっと変わっているんだけど、感性は普通っていう、このバランス感覚がこれまでの作品の主人公とちょっと違うかなと」
那瀬「ぶっ飛んでいるという一言では済まされない、済ますことができないキャラクターだから。すごい繊細だよね」
たま「これまでの主人公って、いい意味で頭がおかしい、みたいな感じだったじゃないですか」
くむ「そこが魅力でしたしね」
たま「私たちに理解できない勢いを信じている、みたいな部分があったけど。ガロは結構地に足がついた考え方をしていて、なおかつアツいヤツというバランスなのが面白くて」
那瀬「こういう言い方は難しいけど、トリガーアニメの中ではだいぶ共感できるキャラクターなんだよな、という気はしたかな」
たま「理解できる。ここでグッと我慢するべき、という判断ができるところとか。こんな風にちょっと突き抜け切らないバランス感覚というのは、松山さんの演技が当てはまっているのが結構よく効いているかなと自分は思ったんですよね。アニメ過ぎないというか、誇張表現を使い過ぎない部分がハマっているんじゃないかなと」

絵づくり、色、音楽、演技、どれを取ってもこれまでの私たちが知っているモノとちょっと違う?! なのに変わらぬトリガー節と、最後の爽快感。新しい表現に果敢に挑んだアツい作品を、ぜひ劇場で! 入場者プレゼントのカードで視聴できる「前日譚」も必見です。

(笠井美史乃)

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