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【募集】8月9日は『デカダンス』特集です。感想募集!投稿締切は8月8日21:00です。

そのとき、どうする? 自分が問われる そこ☆あに『日本沈没2020』特集まとめ

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今週はNetflixで配信中の『日本沈没2020』特集です。原作とは一転し、徹底して個人の目線から描かれた巨大な災害と、そこに生きることの意味。いろいろな感想が出て当然ではありますが、今だからこそ生まれた作品を、今見る意味はきっとあるはずです。まだご覧になっていない方のために、冒頭25分までは最後のネタバレなしでお届けしております。(この記事もネタバレを含みません)

そこあに「日本沈没2020」特集 #644
「そこ☆あに」644回目は『日本沈没2020』特集です。 原作は1973年に刊行された小松左京によるSF小説「日本沈没」。監督は湯浅政明、...

■何度も映像化された人気作品、映画(初代)は観ておくべき? (長いけど)
那瀬「140分以上ありますからね」
くむ「最初の20分は、いまの作り方だと下手したら5分くらいだよねって思いながら(笑)。この恋愛は尺いるのかなとか、この世界の在日アメリカ軍どうなってるのかなとか、いろんな疑問点を抱きながらも、ただ映画としてはよくできた作品なんじゃないかな。大ヒットした理由もすごくわかりました。ただこれを見てしまうと、今回のアニメーション版が全然違うものなんだと、すごく実感したかな」
那瀬「そうですね。私も、アニメを見た後に映画版を見たんですけど。やっぱり原作は主人公チームとして地震のことをよく知っている皆さんが描かれていたんだ、という配置はすごく納得でした。簡単にいうと今回のアニメは、日本が沈没しゆくことに対しては、全くどうすることもできない一般人を描いているので。このアレンジが斬新だと言われているのはすごく納得しましたね。今まで見たことがなかった私も『日本沈没』という言葉だけは知っていて。この言葉、みんな知ってませんか? 要は、日本が沈没するという大ネタを小松左京という人が作った、ということだけは知ってたんですけど、それがどんな作品なのかは全く知らなかった。ただ、日本が沈没するという設定に対してはそんなに抵抗なく見たという感じが、最初の入りでしたね」
美樹「私もそうですね。過去作品は全く知らずにこのアニメ版を見て、でもなんか、今の日本にいて不安になるようなものの、一つの形を見たような気がして。すごくいろんなことに対する危機感を持てたので、見れて良かった作品でした」
米林「私も、終わった後は見てよかったなとすごく感じたんですけど。最初の巨大地震から私自身が経験のないことばかりで、ただ見るのが怖いという思いがすごく大きかったんですけど。でもやっぱり、実際にいつ起こるかわからない地震に遭ったとき、何も知らないというのは怖いなと思って。頑張って見続けて、いろんな想定もできるし、見てよかったなと感じてます」

■現代だから作られた設定、人物、物語
くむ「とにかく初代の劇場版に関しては、徹底して、なぜ日本が沈没していくのかというお話が長いんだよ。いわゆる設定話ですよね。日本が沈没していく可能性がありますと突き詰める部分が、結構尺として取られているんですよね。あと、政治の話もしっかりと描かれていくので。言ってしまえば、国民個人の問題というのはほぼ描かれない」
那瀬「そうですね」
くむ「いわゆるモブですよね、死んでいくモブとしては存在するんだけど。それに比べると、今回の2020に関しては完全に我々の立ち位置ですよね」
那瀬「そこで一つ思うのは、昔は科学者や偉い人たちが説明をしないと情報が得られなかったところが、今は誰でも日本が沈没しゆく理由を、ある程度調べることができるんだなということですよね。本作の中でユーチューバーがかなり大きな存在として出てくるんですけど。いろんなことを発信して、知っていて。そういう立場を使っているだけで、別に描いていることは案外変わらないのかもしれないなと、個人的には思ったりしました」
米林「発信力のある人はみんな自分に自信を持っているし、自分の意見も堂々と言えているし、見ている方もなるほどなと思えることとかがすごくあって。でも発信力あるからこそ、伝える意欲が高くて、知らないことを知りたいという気持ちも強かったりして。今起きていることも常に発信したりしている、その影響力もすごいなって感じているので」
那瀬「要は、現代のカッコいい像として描かれていたよね」
くむ「まあ、ユーチューバーがカッコいいかどうかは両論あるとは思いますけどね。いい部分もあるし、悪い部分もあるし。カッコいいユーチューバーもいるよということだと思うんですうよ」
那瀬「そうですね。一様にカッコいいというのは浅はかだったかも」
美樹「この作品でも、自分が生きていくために何を選択するのか、というのは、社会がちゃんとしてればいろんな意見もあったり、正しいと思える多数の声があるけど、ああいう災害が起きた時って、本当に自分個人で決めなくちゃいけないという選択の場面がいくつもあったと思うので。そういう面でも、何を信頼するのか、自分で選択しなきゃいけないなっていうのを、すごく問われているなと思いましたね」

■物語の内側で考える、今の時代だから見えてくるもの
那瀬「今こうやって感想戦をしていてちょっと印象的なのが、この作品はストーリーを追うタイプじゃないなと思うんですよ。もちろん、次はどうなるのという心理もあるんですけど。そっちよりは、もし自分がこういうシチュエーションになったら…という。物語を箱庭的に見る方じゃなくて、引きずり込まれる方なんだろうな、と思っています。なので、この作品にすごく賛否両論あるのは、そこに引き込まれなかった人もたくさんいるからだろうなとは思うんですよ。ただやっぱり、相性次第だと思うんです。これだけ引き込まれた人もいるわけで。だから、まずは試して欲しいと思います。この作品を見ないまま、俯瞰して逃げないで欲しいなと。私は、湯浅正明信者であるということもあるんですけど、まずは、作品を最後まで見て欲しいなと思いますね」
米林「私も、これはアニメだと思いながら見ていましたけど、那瀬さんが言ったように自分の立場に置き換えてみるというのはすごく重要なことだと思うし。自分と見つめ合う作品だなって思います」
那瀬「そうだね、私も自分自身を整理整頓するためにこの作品を見たんだなと思ったところはあった気がするし。少なくとも、防災リュックを作り出すという行動に出てますから」
米林「本当それなんですよ!防災グッズめっちゃ欲しいし。私、昔ガールスカウトやっていたときの知識、めっちゃ飛んでるから。包帯の巻き方とか思い出したいと思ってます」
くむ「そうだね。私はね、ネタバレになるからまだ言わないけど、私の中でのこの作品の納得の仕方というところがあって。それはこの作品に100点、というか200点あげたいくらいの感じがあるんですよね、今の時代だからこその『200点』がこの作品にはあると思っているので。なので、今回特集して良かったと思っているんですよ。これは日本沈没という、日本の物語だけじゃなくて、世界的に言える話だろうし」
那瀬「なるほど」
くむ「その時に何があるんだろう、その先に何があるんだろうと思ったとき、この物語から見えてくるものがある。今の時代だからこそ見えてくるものがあるだろうと思うので。そういう意味での名作だと思うかな」

異世界でも学園でもない日本、リアリティある描写や言動は、背中にずしりと重いものを残すかもしれません。ですがぜひ、自分を信じて最後まで見ていただきたいと思います。

(笠井美史乃)

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