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夢は叶った…よね? そこ☆あに『劇場版「メイドインアビス」-深き魂の黎明-』特集まとめ

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今週の特集は、現在公開中『劇場版「メイドインアビス」-深き魂の黎明-』特集です。1月17日より公開が始まり、現在は劇場数を拡大し4DX/MX4D版も上映されています。テレビシリーズから2年。最初のビジュアルからは想像できなかったハードな展開になっています。

今回はネタバレありでお届けしておりますので、未視聴の方はご注意ください。

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■辛く悲しい、なのに、なぜか希望のある結末
たま「キービジュアルにプルシュカちゃんがバーンと立っていた時点で、何か察しはつくじゃないですか」
くむ「いやいや、つかないよ、つかない」
那瀬「この子、酷い目に遭うんだろうなって思ったよ」
たま「今回の犠牲者だ…みたいな空気ですよね」
那瀬「ほんと、見終わった時の絶望感たるや…みたいな部分はあるんだけど、メイドインアビスって、それでもなんか騙されるんだよね。冒険ロマンものという枠をちゃんとキープし続けてくれるというか。やっぱ、新キャラを出すのが上手いんだろうなと思うんですよ。冒険者って、新しい友情が生まれることが結構大事なのかなと思って。新キャラにもきちんと友情を芽生えさせて、愛嬌と愛着を持たせ、敵へ対抗する力にもなり。なんか、その上での絶望…」
くむ「違う違う、その上でのお別れ、ですよ」
たま「いやいや、別れてないし、一緒に旅に出てるし」
那瀬「ほんとだ!そうだよね!」
たま「みんなで旅に行くって言ってたもん。だから想いを連れて、笛を連れて。これで完璧、プルシュカの夢、叶ってる、バッチリ!」
那瀬「あんなに辛く苦しいのに、なぜかハッピーエンドに見える、この不思議!」
美樹「私は絶望すらそれほど感じずに劇場を出ましたよ。なんか、希望に満ち溢れて終わったな、って思ってて。なんかすごく良い終わりだったなって思ってしまいましたね」

■ボンドルド、最低なゲス野郎だけど正直魅力的です
那瀬「人道や愛情を外して、ボンドルドを一科学者、探求者として見ると、ものすごく魅力的な人物であると、あえて言いたいなと思うんですよ。アビスという場所にあるもの、呪いを、どうにか祝福に変換できないかという試みをするのは、人間として当たり前の探究心だと思うんです。宇宙開発とかがめちゃめちゃ進んだりしているのと同じだよね、と思ってしまう。でもそこに人道に反するとか、愛情とかが挟まってくるからおぞましく感じてしまうんだけど。ただ、彼もまた冒険ロマンを追い求めているから、憎みきれないよなとはすごく思う。モヤモヤする。否定しきれない」
美樹「確かに。ボンドルドがリコのことを認めたじゃないですか。意外と君はこっち側の人間なんだね、みたいな。あそこがすごく好きで。同じ探窟家で、リコも間違ったらボンドルドにもなってしまう可能性があるし、どこまで探求するかの差だけなんだと思うと、同じ人なんだと思えてくる」
たま「リコはレグという強い力を得なかったら、もしかしたらいつかボンドルドみたいなアプローチにたどり着いていた可能性も、全然あると思うんですよね。この世界の人たちってそういうものなんだよね」
美樹「ボンドルドがやってきたことはもちろん間違っているし、ナナチの生い立ちは本当にかわいそうだけど、皮肉なことにボンドルドのおかげでリコ達と出会うみたいな。でもそこを因果関係にはしたくなくて。ただ、ナナチはあんな生い立ちだったけれど、生きていればリコ達と出会って冒険にも行けるという。生きていればいいことがあるよというメッセージにも感じて。そういう部分にも希望を感じたなという気持ちがありました」
那瀬「それと、なんといっても声優を務めた森川俊之さんの、心がない演技、上手すぎません?」
たま「ホント、心のない『かわいいですね』の言い方。ひどいよね」
那瀬「本当に本当にお上手で達者な役者さんですけど、あれ、この人心がないからこそいろんな心になれるのか?みたいに思えるくらい」
美樹「逆転…!」
那瀬「そう、逆転発想になるくらい。すごい怖うまい芝居でしたね」

■プルシュカの魅力あればこその物語
美樹「プルシュカは愛を感じていたんじゃないかなと思うなあ。お父さんの痛みを一緒に感じられることに、ある種、喜びみたいなものを感じながら死んでいったような気がするので。そこから白笛になろうという決心も、結局お父さんであるボンドルドと同じ道を辿っているところも含めて、親子だなと感じてしまいましたね」
くむ「そこがうまいんだよね。ただ胸糞悪いって言えない、という」
那瀬「プルシュカが洗脳されていたとも思わせない感じ。あくまで、彼女の意思なんだって思えるのは本当にうまい作りだと思いますね」
たま「本当の愛がなければ祝福は起きないと言っていましたから、祝福が起きている時点で、正しく愛があったということにもなるんだな」
那瀬「なるほどね」
美樹「この作品をハッピーエンドに感じたのは、一番不幸な結末になったプルシュカ自身が、そこまで不幸だと思わないで死んでいったんじゃないかなと。むしろ、幸せなうちに死んで行けたんじゃないかと思えたから、そう感じられたのかなって思いましたね」
たま「願いは本当に全部叶っているわけですからね。リコ達と一緒に旅をしたい、ボンドルドも一緒に連れて行きたいという願いが。リコ達とは笛として一緒に行くことができるし、託された探究心というものがボンドルドの気持ちと捉えるなら、一緒に旅をしていることになるから」
くむ「ナナチの問題も、解決はしていないけれどひとつ山を越えることができたわけだよね」
たま「和解と言っていいんじゃないかという気がしますね。恐れるだけだった相手を同等の立場として、なんなら追い越していくという。ナナチの中で納得がいって、あの結論が出ているのがすごくいいですよね。流されてとか、不満だけど、というわけじゃないから」
美樹「あとは、テレビシリーズからそうだったんですけど、ミーティを殺した後で、どことなくナナチはどこかで死にたいのかなという感じがずっとあったから。この劇場版の終わりで、純粋にこれからリコ達と旅をしたいんだなというところが見えて。すごく前向きで。その部分ではワクワクしますね」
那瀬「前半の『チクショウ、楽しいな』というセリフがすごい印象的で。これからまた深い層へ潜って、気持ちの悪いものをおいしそうに食べたりするんだろうな、とかいうのがね。なんだか、まだまだ見ていたいなと思うよね」

現在4DX/MX4D版の上映も始まっていますが、最初に行くならなるべく大きなスクリーンで通常版を観るのがおすすめ。美しくも恐ろしいアビスの世界への没入を感じてください。さらなる深みに何が待つのか、シリーズ続編も楽しみに待ちたいと思います。

(笠井美史乃)

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