今週は、今期新番組から2作目『荒ぶる季節の乙女どもよ。』特集です。青田買いでも衝撃の1話に話題騒然。これまで見たことのない視点で描き出される高校生の恋愛は、忘れられない作品になりそうな予感です。かわいい絵柄ながら、岡田麿里原作の少年誌連載コミック、ということで素直に恋愛成就フィニッシュで済ませてもらえないことは覚悟しておく必要がありそうです。
■そこから始まる?! 幼馴染の関係を強制的に変える衝撃のイベント
美樹「もう、登校拒否ですよ次の日」
くむ「よく学校ちゃんと行けてるなというか、まだ会話できているだけ彼は偉いと思うよ」
美樹「ほんっとに焦って逃げ場もないとき、普通の行動を取るというところが、なんか良かったですね。いたたまれなさが(笑)」
くむ「あの場面を見た和紗が面白いわけじゃない(笑)。でもね、その後の(和紗の)あの態度はないだろ。ていうか、お前勝手にDVD持ってくなよ!っていう。あれはちょっと許されざるところですよね」
美樹「幼馴染同士の恋愛ってこういう作品によくありますけど、まさかあんな描かれ方が来るとは」
くむ「でも、一応お互い好き合っているわけでしょ、今の所は」
米林「お互い…どうなんでしょう」
美樹「幼馴染で、恋愛対象としてじゃなく、まあ友達以上に仲のいい同士だったけど、そこがね、、普通こんなきっかけで変わらないじゃないですか。よくこのきっかけ作ったな、っていう。2人の関係性が一歩進まないといけなくなる強制イベントというか(笑)。そこがすごいなと思って。この後どうなるかですよね。今のままじゃいられない」
くむ「性が絡まないで、好きとか、恋愛に飛び込むかどうなのか、みたいな話だったら普通の恋愛ものなんだけれども。この作品はまず先に性に踏み込むというところがね。そこが面白さなんでしょうね」
■変態? 童貞?真意が見えないミロ先生に湧く疑惑
那瀬「ミロ先生、別に彼女の下着を見て喜んでいるタイプではないでしょう?」
くむ「それをさせていることに喜びを感じているはずですよ。ある種、調教だと思ってます。で、しかもそれが彼女の書く部分へのプラスになるに違いないということはわかってるんじゃないの」
那瀬「そうですね。でもわかってるからこそ、ミロ先生がまだ恋心とか、むしろ本郷先輩への興味すらまだないように感じて。それがすごく怖い」
くむ「そうそう。まさに手のひらの上で踊っているわけですよ」
那瀬「で、本郷先輩はどんどんミロ先生が好きになるんでしょう。」
くむ「なっていくと思いますよ。かといって(先生の方は)好きになってくれるわけではないに違いない」
小宮「私は全然そういうふうに見てなかった。こうしてみてはどうでしょうかと、ただチャットの感覚で提案したら本当にやられてしまって、どうしようって、結局自分が翻弄されていくというパターンなのかなと思って」
米林「私も小宮さんに近いかもしれないです。教師だから生徒に対してはこういう態度で、みたいな接し方をしているいけど、本郷先輩の方がグイって来た時の動揺がすごかったので、あ、この人ウブなのでは…と思っていたんですけど」
那瀬「そうね、あまり考えたことがなかったけど、ミロ先生は童貞かもしれないね」
小宮「本当に興味ないんだろうと思う。この人は文学の中でしかそういうものを知らないし、感じたことがなかったし、女子高生はそういう対象では全くなかった。一番、この人が性とはかけ離れているなと。ていうか、ミロ先生と本郷先輩のパターンは、性というものを知らない2人が今から性に出会っていく、自分の中の性に気付く人たちだと思ってる。だから今の段階でエロさとか打算みたいなものは感じてなかったの」
那瀬「途端にピュアなカップルに見えてきたわ!」
■今までになかった「処女コメディ」の難しさ
小宮「公式のインタビューで、童貞をコメディにした作品はあるけど、処女をコメディにした作品がないから作った、みたいな話があって。女性から見た処女と男性から見た処女というのがこんなに違うんだな、というのもちょっと感じたところもあるし」
那瀬「そうよね。だって男の子が主人公で童貞で、みたいなのは、それだけで何か…プラスとは言わないけど、ちょっと好感を持てるステータスにあったりするじゃない。それが、女の子が処女であるないという話は、聞きたくないというか。。。置いといてほしい」
小宮「新鮮な感じよね」
那瀬「そうなんだよね。そこって確かに、言われてみればなかったし、不思議だよね」
小宮「神聖さを文学と混ぜているのがすごく私は好きだなと思っていて」
米林「まだ5話までですけど、見た感想が純文学を見ているみたいだなってすごく思いました」
小宮「実感がわかないとすごく大層なモノのようなのに、実感が湧いた瞬間にリアルになるというのを見せられている感じがしていて。文学ってやっぱり誰かの経験値をもって書いているもので、その実感がこんなに性で広がるものなんだというのは、この作品を見て驚きではあった」
那瀬「女の子の性というと描き過ぎたらふしだらになるという、そればかりはまだまだ拭えない先入観。拭うべき先入観ともまだ今は思っていなくて。だから文学的な納得感、実感を持たせることで、ただのエロではない、というところに落とし込んでいるのはすごい、技の妙だなとは思いますね」
ふんわりした絵柄や色合い、コメディ色のある演出で和らげてはいますが、みんななかなかにアクが強く、えぐってくるセリフやシチュエーションが続々と出てきます。OPのセリフも次はいつ変わるのか、見落とせませんね。間を開けて考えながら、リアルタイムで楽しみたい作品です!
(笠井美史乃)