時代を超えた伝説のアイドルへ。そう、ゾンビならね! そこ☆あに『ゾンビランドサガ』特集まとめ

今週は、今期青田買いでも取り上げた『ゾンビランドサガ』特集です。開始1分で予想の斜め上をいく展開…からの佐賀を救うアイドル?! という時点ですでにいろいろ超えてきた感はあるのですが、正直その認識では甘かったです。ギャグも音楽も佐賀も、全てに本気なやつでした!

そこあに「ゾンビランドサガ」 #556
「そこ☆あに」556回目は『ゾンビランドサガ』特集です。MAPPA、エイベックス・ピクチャーズ、Cygames共同企画によるオリジナルアニメ。ゾンビとして生き返った少女たちが佐賀県を救うご当地アイドルを目指すというストーリー。第1話こそ一発...

■1話ごとに本気度を実感、今度はこう来たか!
くむ「1話見た時にここまで面白くなると思いました? 俺は出オチだと思った」
丸井「私も思いました。でも2話3話で、お!って思いました」
くむ「そう、だからすごく上手いなと思って。2話3話が面白くなかったら、それで忘れ去られたでしょうね。でも1話より2話の方が面白いし、2話より3話の方が面白いという感じになったでしょ。シリーズ構成がうまいよね」
小宮「音楽ものとしてもアイドルものとしても掴みがうまいし、それをできるキャストを揃えたところに、マジだ…というのを感じますね」
くむ「音楽は添え物じゃなく本気でやるぞと、1話から訴えていたんだけども。でもこれは出オチになってもおかしくないわけじゃん」
小宮「(デスメタルで)ヴォォオって言ってただけですからね」
くむ「2話のラップバトルもそういう意味ではキワモノでしょ。でもこれでずっと売って行くということではなかったわけだよね」
小宮「そういう意味で3話は、ここからずっと見続けることを納得させてくれるような話だったなと思いました」
くむ「1話2話のぶっ飛び方からするとおとなしい感じではあったかもしれないけれど。でも3話以降がまさにアイドルの物語になっていっているじゃない。まあ、ご当地アイドルですよね。でも地に足のついたご当地アイドル感がすごくいいなと。その最初にあの1話があったと思うと、やられたなという感じがするわけです」

■佐賀がうらやましい! ご当地を真に理解し愛するコラボ
くむ「ここまで自治体と良い方向でコラボできている作品てなかなか難しいと思うんです。だいたい、ゾンビですよ。ゾンビが出てくるアニメ、協賛しますか?」
丸井「(笑)あまりいいイメージじゃないですよね」
くむ「だと思うんですよね。アニメとして見たときに、キワッキワでしょ、この作品。それをOKする懐の深さ。それが佐賀にはあるんだというところが、すごいなと私は思いました。素直に」
丸井「佐賀県民は心が広くてフットワークが軽いと」
くむ「そうなんですか?」
たま「きっとそうに違いない。私が好きなロマンシングサガ、そんな感じでコラボしていましたよ」
くむ「そのノリは素晴らしいと思うんだよね。県のイメージが…なんて言わないわけでしょ」
たま「前例にない、というのはすごく難しいじゃないですか」
くむ「確かにね。だからウチは知らないです、というフリをする場合もあると思うんですけれども。もうがっつり観光に乗っかってるでしょ。これ見たら佐賀行きたくなるでしょ。ドライブイン鳥に行きたくなるでしょ」
たま「なる!鶏肉食べたい」
くむ「このノリはおいしいから使いましょう、だけじゃなく、めっちゃ作中で活きてるじゃない。ドライブイン鳥の人は多分ここまでのことになるなんて絶対思ってないわけですよ」
たま「びっくりだったでしょうね。またAパートでコラボ終わりなのかと思ったらBパートのオチで使われていて、脚本うま!」
くむ「あと、ちゃんと方言も使っているじゃない。ちゃんと地元感を出してくれるというのが、地方在住としてはね。いいアニメ作ってもらったな佐賀県、と思います」
たま「愛があるな、という感じがするのはすごくいいですよね」

■時代を超えたゾンビだからこそ…悩めるアイドル哲学
くむ「第6話、この作品でアイドルをこういう描き方をするとは到底思っていなかったので。ある種の感動を覚えましたね」
たま「アイドル哲学みたいなものにこんな真剣に向き合うのか、というのは驚きました。アイドルものってやっぱり“みんな頑張る”という姿を見せるものなんですけど、どう頑張りたいのかという話をするのはすごく珍しいし、頑張りたい方向が違うこともあるんだというのは、確かに現実ならあるよね、と」
くむ「紺野純子は1964年生まれ、伝説の昭和アイドルということなので。年代的には聖子ちゃんたちか、その後くらいですね。ザ・ベストテンにガンガン出ていた世代だと思うんですよね」
丸井「純子ちゃんも言っていましたけど、芸能人と一般人の境界線がすごくあった時代なんじゃないかなと思います」
くむ「ファンとアイドルの間って、確かに別の世界だったもんね。握手会くらいはあったかも、みたいな。そのレベルですよね」
丸井「実力もないのに人気を得ようとするのが許せないという純子ちゃんと、先に人気をつけないとという愛ちゃんで、ぶつかっちゃっているところがもどかしいですね」
たま「たぶん、こういうキャラクターなんですとパッケージングされたものを完成品として売っているかどうかなんだと思うんですよ。今のアイドルはその完成品になる過程にファンが介入するスキがあるんですよ」
小宮「むしろそれが売りですよね」
丸井「ファンがアイドルを一緒に育てていこう、みたいなのはありますよね」
小宮「昭和のアイドルの典型と、平成のアイドルの典型を抜いてきているなとは思います」
くむ「そこを描きたかったんだろうね。最初の段階では全然想像つかなかったものが、こうやってこの話で出てきたということだね」

意外なところで深い方向に走り始めた物語。メンバーの過去(生前)も今後の展開に関係してきそうです。巽とか山田さんとか、その他もろもろツッコミたいところが謎ばかりという状態のまま折り返しを迎えました。このまま行くとこのアニメ自体が伝説になってしまうのではないか…そんな予感が漂い始めています。今期必修の作品だと思いますよ!

(笠井美史乃)

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