少年はゲームの向こうに恋を見るか? そこ☆あに『ハイスコアガール』特集まとめ

今週は、青田買いでもピックアップしました『ハイスコアガール』特集です。ゲームのプレイ画面から考証、音楽まで、ゲーム好きもうなるこだわりを詰め込んだ、ゲーム史の宝箱みたいな世界。そこを舞台に描かれるのは変わり者同士のボーイミーツガール…が、え? まさかの三角関係?! ゲーセン思い出語りも盛り上がってます!

そこあに「ハイスコアガール」 #544
「そこ☆あに」544回目は『ハイスコアガール』特集です。 原作は月刊ビッグガンガンに連載されている押切蓮介による漫画。 1990年代のゲームセンター、アーケードゲームを題材に、主人公矢口春雄を中心としたヒロイン大野晶・日高小春の三角関係を描...

■無事にアニメ化できたことが何より!
くむ「いろいろありはしたと思うんですけども、きちんと筋を通した結果のアニメ化ということで。いろいろあった作品なんだな、くらいの感じで見始めたんですが。原作力高いよね」
蒔田「高いですね。僕も存在は知っていたんですけど、マンガは読んでいなかったんですよね。いやあ…1話見て買いに行っちゃいました。読んだら面白いんですよ」
くむ「蒔田くんはゲーセン勢でしょう?」
蒔田「まあゲームセンター大好きというのもあったんですけど。ただ、これに関してはゲームのネタというよりも、マンガとして面白いなという。マンガ描くのがうまい、という感じです」
たま「押切先生の漫画は、本当にどれ読んでも面白いです」
蒔田「だろうなって思う。1、2巻読んだだけで、他の漫画も読んでみたいと思わされるくらい。全巻買っちゃいましたけど(笑)」
たま「ちょっと絵柄が濃いめというか、とっつきにくい感じはあると思うんですけど、読み始めるとグイグイ行っちゃう感じのものを描く方なので。おすすめですね。その中でもやっぱり、ハイスコアガールはキャッチーな作品だと思うので。アニメ化すると聞いた時、すごくワクワクしたんですけど、まあいろいろあって、今回ちゃんとアニメ化できてよかった!というのが一番最初の感想でした」

■あの頃のゲーセンのあの空気感…! 語りが止まりません
蒔田「当時を表すものといえば、ポスターとかもそうなんですけど、1話でクレーンゲームの中に大量に入れられている、競馬の馬のぬいぐるみ」
たま「あった!」
蒔田「あれ、今見ないんですよね。でも昔は友達の家の車に乗ると置いてあったりして、何かと目にしていたんですけど、あれがどうもゲームの景品だったようで。そういう再現とかはすごいと思いますね」
丸井「おもちゃ屋さんの前にあったゲーム機、めっちゃ遊んだ記憶が蘇りましたね」
蒔田「あれはうちの近所のパン屋さんの前にもおいてありましたね。『サムライスピリッツ』と、『キング・オブ・ザ・モンスターズ』」
くむ「私は押切先生からいえば10歳くらい上なわけですよ。だから、世代的にもっと上のゲーセン観なんですよね。ゲーセンて行ってなかったわけじゃないんだけども、そうですね…ディグダグとか、パックマンの初代の頃。なので、格闘ゲームらしきものが出てきていたのかどうか、くらいのレベルですね」
丸井「本当にリアルでもみ合ったり、灰皿投げられたりとかあったんですかね」
蒔田「それはあったと聞いているし、僕の時代にもあった。『灰皿ソニックだっ!』て言ってたけど、世代や流行っていたゲームによって技が違ったりしてね。僕の時は『ペットボトルカーカスライド』といって、天井に反射させて相手のところに飛ばすという技がありましたけど」
たま「元ネタがわからないとわからないヤツですよね」
蒔田「リアルファイト禁止とかの張り紙は、昔はあったと聞きますけど。あとはちょっと時代が進むとオンライン対戦になるじゃないですか。そうなると他店舗と戦って『楽勝だぜ』みたいな煽りをかますと、煽られた人がブチ切れて、その店舗まで車で行って、お前こら!って」
くむ「そこまでするの(笑)」
丸井「へーすごい、ゲーセンて楽しいトコロですね」
くむ「怖いだろ、どう考えても!(笑)」

■ゲーム脳の春雄が恋に気付く日は…?
くむ「3話の段階で、大野さんと春雄の関係ってある種完成しちゃった気がするんだよね。恋愛として認識しているかという問題は置いても、大野さんに対するあの意識の強さというのは、恋みたいなものじゃん」
蒔田「まあそうなんですけど、本人がそう捉えているかどうかというのはとても重要。読み手からすればこうなるだろうなというところまで行っておきながら、新しい関係性を放り込んで、そこはそこで納得させられちゃうじゃないですか。小春と春雄の関係も悪くはないじゃないですか」
丸井「でもだいぶかわいそうですけどね、日高さん。手袋ボロボロにされちゃったり…」
小宮「(バレンタインの)チョコレートも放り出してたじゃないですか」
丸井「恋愛よりもゲームなんですよね、まだ」
くむ「そこがある種、小春が惹かれた理由なんじゃない?」
蒔田「新しい世界を見せてくれたというところではね」
小宮「学生の頃は先輩とかちょっと影がある人とか、ミステリアスというか憧れを抱ける人が気になったりするのかな?(小春は)優等生だもんね、とちょっと思ってました」
たま「全然違う世界に生きている人間だからというのはあるのかもしれない。怒ってはいましたけど、理解不能であることそのものは魅力に映っているのかな」
丸井「何も趣味ないと言っていましたもんね。だから、ゲームという知らない世界を教えてくれる彼が気になってしょうがないという感じなのかな」
蒔田「でも春雄は、本当にゲームが好きでお前も面白いからこっち来いよという気分で言っているんだろうな。仲間が増えるのはめちゃくちゃ嬉しいので、オタクであればあるほど、周りを見ずに、むしろ相手も見ずに勧めるじゃないですか。だから春雄の行動はすごいあるあるなんですよね、申し訳ないんですけど」

究極のライバルであり運命とも言える大野さん、勝ち目がなさそうな状況で健気に恋する小春。全くもって無自覚な春雄がこの微妙な三角関係に気付く日は、果たして来るのでしょうか? まあ、それに気付かない春雄だから二人にモテているわけではありますが…。今期もそろそろ折り返し。原作最終巻も近いだけに、どこまで描かれるのかも楽しみです。

(笠井美史乃)

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