イドの正体が誰なのか、なぜエバートランサーになったのか、ついに明らかになった途端にとんでもないことになってしまった第10話。イドはどうなるのか? アダムスの目的とは?! そんなタイミングで、6月18日に都内の劇場にて「『ID-0』第11話・第12話最速上映会」が開催され、アニメ本編の上映とキャストによるトークを実施しました。ロボットアニメとしてはもちろんですが、ドラマの面白さやテーマの奥深さが大きな魅力の同作。来場者もファン層の幅広さを感じさせました。
イベントではまず、第11話・12話の上映が行われました。劇場の大画面と音響でその迫力を堪能。改めて作品のクォリティの高さを感じます。ストーリーは最後の最後までガンガン動きまくり、1話からは想像もつかないスケールへと展開します。個人的には特に○○○○○を×××にするシーンが……と、詳しくは言えませんが、ここまで作品を応援してきたファンなら納得できる良い結末になるとお伝えしておきましょう。
(左から・敬称略)松風雅也、興津和幸、津田美波、大原さやか、金元寿子、皆川純子
続いては、豪華キャスト陣によるトークイベントです。登壇したのは、イド役の興津和幸さん、ミクリ・マヤ役の津田美波さん、カーラ・ミラ=フォーデン役の大原さやかさん、クレア・ホウジョウ役の金元寿子さん、アマンザ・ボルチコワ役の皆川純子さん。司会はリック・エイヤー役の松風雅也さんです。1時間を超えるトークで、たっぷりお話を聞くことができました(が、最終回のネタバレトークも多かったので、触れない部分のみお届けします)。
作品全体を振り返って印象に残ったシーンを尋ねると、皆川さんは「アマンザを演じる上で、リックとの第9話の拡張空間のバーのシーンは外せないですね。不本意だけど(笑)」と絶妙のツンデレぶり。リックとアマンザがお互いの理解を深めるきっかけとなった、良いシーンでしたね。また、涙もろい皆川さん的にグレイマンとクレアの親子関係もとても好きだったと語りました。金元さんは拡張空間のブリーフィングルームが楽しかったとのこと。「毎回場所が変わるし、みんなが同じ頭身になって喋れるのが面白かった」と言います。金元さんが特に気に入っているのは教室バージョン。松風さんが「学園ものでスピンオフを作ったらいいんじゃないですか?」と返すと、他のキャストも口々に「やりたい!」という声が上がり、会場からも拍手が起こりました。
津田さんは第10話で身体を取り戻したイドと初めて対面した時のこと。イドと目が合い頬を赤らめるマヤ、なのに次の瞬間後ろからアダムスが、という衝撃的なシーンでしたね。続く第11話では、人間とは何か、生きるとは何かを問う作品のテーマに触れる展開につながりました。
次に司会の松風さんから飛び出したのは、女性キャストが多いからという理由で「キャラクターの中で付き合うなら誰?」という質問。最初に手を上げて「グレイマン!」と渋い回答をしたのは大原さん。男気あるところとは逆に、マヤに嫌われているんじゃないかと心配したり、アリスが泣いてオロオロするような「ギャップに萌える」のだそう。また、皆川さんは「仲間思いで、頭が良くて冷静なイド」、津田さんは「イドとリック、どちらも好き」という回答でした。
トリを務めた金元さんの回答は、なんとアダムス。会場はどよめき、キャストからは「子安(武人さん・アダムス役)さんが喜ぶ〜!」という声も。「カッコ良くないですか? あそこまで堂々と自分の本心を言ってくれる人。誕生日とかもド派手に祝ってくれそう」と理由を力説されましたが、これは最終話を見るとちょっと分かる気がしないでもないかも?
他にも、戦闘シーンのアフレコについての裏話や、第10話のアダムスの話など、いろいろなテーマでトークが進み、司会を務める松風さんのツッコミ豊富な名調子もあって、最初から最後まで笑いの絶えないイベントとなりました。最後の挨拶では、キャストの皆さんは口々に作品のクォリティが非常に高く、キャストもスタッフも誇りに思える作品であると語りました。
興津さん「自分が台本を読んで考えて演じましたが、改めて完成したものを見るといろんなことを思い起こさせるし、いろんなことに考えが至るようにできています。まだ秘密がいっぱいあると思います。オンエアを見て、Blu-ray BOXでもう一度見直していただいて、次回予告もぜひ見直していただいて(笑)。自分とは何なのか、普段の生き方が正しいのか正しくないのか、自分自身も立ち止まって考えるきっかけになった作品です。皆さんもぜひ改めて、考えてみていただきたいと思います。今日は本当にありがとうございました」
『ID-0』のBlu-ray/DVD BOXは8月29日発売。Blu-rayBOXの特典には、津田さん、金元さんの歌うキャラソンCD「We are EXAVATORS!!」や特製ブックレットに加え、監督・キャストらによる全話オーディオコメンタリー、そしてファルザの日本語翻訳音声(声・小澤亜李)を収録。劇中では「ファー」としか言っていなかったファルザですが、実は脚本には日本語のセリフが書かれていたそうで、それを新たに12話分収録しています。また、コメンタリーにはキャストだけでなく、谷口悟朗監督やシリーズ構成・脚本を務めた黒田洋介さんによる裏話もたっぷり入っているとのことで、見直せばまだまだ深く『ID-0』の世界を楽しめそうです。
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◇公式HP http://id-zero.com
(C) ID-0 Project
(記事 笠井美史乃)