正直やられた! 伏線と回収の連続&アニメ的演出もすごい そこ☆あに『彼方のアストラ』特集Part2まとめ

今回は今期番組から初めて2回目の特集となりました『彼方のアストラ』特集Part2です。第1話1時間スペシャルで始まり、いよいよクライマックスを迎えようというこのタイミグ。最終回まで1時間スペシャルということも期待感を高めてくれています。

そこあに「彼方のアストラ」特集Part2 #600
「そこ☆あに」600回目は『彼方のアストラ』特集Part2です。 原作は篠原健太による「少年ジャンプ+」にウェブ連載されていたSFサバイバルマンガ。コミックスは全5巻完結済み。「このマンガがすごい!2019」オトコ編で3位・「マンガ大賞20...

■アストラのスゴいところは? これから観る人におすすめのポイント
米林「ギャグとシリアスのシーンの入れ方がすごく面白いなと思いました。意気揚々と楽しんでいるシーンなのにシリアスなことを言って、そういうこと言うなよ~という展開とか。シリアスな場面でおちゃらけたことを言って場を和ませたりという、テンポ感がすごく楽しかったです」
中川「私は、全員に犯人じゃないかという展開が訪れて、何回もミスリードされていったところです。最後まで誰が犯人なのかわからずに踊らされて来たので。一気に見れば物語の波に乗れて、それもすごく面白いかなと思ってます」
小宮「最終話まで見た時にきっとスッキリするというか、全部回収される、見ればわかるミステリーなのがすごくいいなと。ミステリーとしてすごくよくできていると思います」
たま「撒いてある伏線とその回収がものすごくきれいに行われる作品で。毎回、こうなんじゃないかなと考察したことが、やっぱりそうじゃん!てなる快感がすごくある作品なので。今なら一気に見れるというのはすごくおいしいですね。このスッキリ感、なかなか得られないと思います」
くむ「正直やられたなと思いました。前評判を聞いて面白いんだろうなとは思っていたんですけど、想像していた面白さを超えてきましたね。SFの王道的なものの積み重ねと、ミステリーとを含めて。自分が小中学生の頃に読んでいた星新一とかね、あのへんのSF系作品にありそうな物語だった気がして。だから、いろんな情報が開示される度にそういうワクワク感があったなと思います」

※これ以降の内容にはネタバレが含まれます。ミステリー要素が面白さの大きなポイントなので、ぜひご覧になってからお読みください。

■伏線とヒントを、アニメ的にうまく演出
小宮「シャルスの過去が1回出てくるじゃないですか、半分嘘ですけど。漫画ではカラーじゃないから(気付かなかった部分を)、アニメではどうするんだろうというのが一番興味のあったところで。そこが、知っている人にもうまくわからないよう演出されているなと思って。スタッフさんの愛を感じるというか、アニメを見たときに一番印象的でしたね。アニメにした意味があるというか。ミステリー的にさらに幅が出たなと思います」
たま「確かに、アニメにしたときに下手するとバレちゃうよね、というネタの料理の仕方がうまかったなというのはすごく感じますね。一番最後にワームホールに飲まれたのは誰か、みたいな話とかも、確かに1話を見て確認できなくはないんですけど、すごく巧妙にボヤかしていたから、うまいなと思ったところだったんですよね」
くむ「今日1話を見ていたけど、あまり気にならなかったもんね。パッとみたくらいじゃわからないですよ、あれは」
たま「ただ、順番に消えていった人と照らし合わせると、確かに彼が最後だというのは分かるようにはなっているんですよ」
くむ「確かにそうだ、1人ずつ消えていくからね。その中にいなかったもんね」
たま「フェアではあるけど自然にごまかしているところがうまいと思いました」

■ここで回収、原作にないエピソードを追加した意味
くむ「カナタがすごかった。やはり主人公だったよ、彼は。あれ、手を伸ばさなければよかったんじゃないか、という感じも…」
たま「でもあそこで手を持っていかれたことによって、罪悪感の上書きという形で(シャルスの)束縛のくびきを切っているわけなので」
小宮「生きる意味も」
くむ「そうなんですよね。だって、改めて思えばシャルスはもう生きる意味がないわけですもんね、彼の中で。だからああいう行動をとっていたわけであって。別に自暴自棄というわけではなく、本当にその生き方しかなかったわけだから。この先に目的も目標もなく、となった時にそれを与えてくれたのがカナタだったわけですよね。俺の右腕になれ、という」
たま「人を死なせてしまったという罪悪感を上回るほどの罪悪感を与えるというのは、すごいやり方だと思うんですよ。ある種、カナタらしいし、がさつだし、勢いしかない作戦なわけなので」
くむ「1話から全部がつながっていて、最初にカナタに手を伸ばしたのがシャルスだったわけだからね。あれ原作にないんでしょ」
たま「ないですね。あえて言うなら、コミックスの表紙ですね。1巻から5巻まで並べてみるとわかると思うんですけど」
くむ「テレビシリーズの1話ではなぜ改変したんだ?みたいな話が原作を読んでいる人から出ていたと聞いていたんですけれども。こうやってみると全部繋げるために改変したんだなと」
たま「本当に。コミックスの表紙というギミックが使えない以上、どこかで入れるしかないものだったんだと思うんですけど。ここに組み込んでくるんだねというのは、すごくグッときた部分ではありましたね」

刺客の正体、そして全員の過去が明らかになったところで、物語はいよいよ最後の山場を迎えます。ミステリーとしての大きな謎は明らかになりましたが、物語としてはどこにどんな着地を見るのか。幾重にも仕込まれた展開にすごい勢いで引っ張られてきただけに、最後まで期待したいと思います。

(笠井美史乃)

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