知識を武器に文明を創る!そこ☆あに『Dr.STONE』特集まとめ

今週の特集は、今期新番組から『Dr.STONE』です。週刊少年ジャンプ連載中の人気作品ということで、今期青田買いでも注目された1本。少年マンガながら意外にハードなSF設定、科学知識に思想的な対立要素と、物語の密度はかなり高めです。さらに熱量のこもったアニメ化が、その魅力を十二分に活かして見せてくれています。

そこあに「Dr.STONE」特集 #595
「そこ☆あに」595回目は『Dr.STONE』特集です。 原作は、原作:稲垣理一郎、作画:Boichiによる「週刊少年ジャンプ」にて2017年から連載中のSF・サバイバルマンガ。現在11巻まで発売中。 全人類が、謎の現象により一瞬で石化して...

■ほぼ4人のキャラクターで展開した第1章(6話まで)
くむ「1話はまだ人類が生きていたところが描かれているので、多少はいますけど。それ以降はしばらく千空と大樹しかいなかったからね」
たま「1年間ですよ、1年間」
くむ「そう。そして杠(ゆずりは)と獅子王司が復活し。最近になってやっと琥珀が出てきたというところですもんね。この少なさで物語が進行していくすごさですよ。しかも、このままだとここまで引っ張ってきてくれた大樹と杠は一旦退場するの?という感じですよね」
たま「離脱というかたちになるんじゃないかな?」
くむ「これ、作品が始まった頃に“大樹は主人公じゃないんだよ”という書き込みを見かけまして、ええ?って思っていたわけですよ。だって彼が主人公で千空が主人公を支える天才型のキャラクターでしょ、と思っていたわけですけど。なるほど、このタイミングで彼らが獅子王のところに行くわけですね。てことは、千空の方では科学の進化のお話をこのあとずっとしていくんだなと」
小宮「文明の進んでいく様を、千空が主人公という視点で続けていくんだなというのもわかりますよね」
くむ「千空はそんなことばっか言っていたわけですからね。その通りの物語になっていくわけですね」
たま「100年、1000年、技術をスキップするぞみたいなことを言ってましたけど、実現しそうな感じに見えてくるのがすごいですよね」

■科学でイチから文明を創る、千空の野望の行方は
くむ「彼のいいところは、それ(過去の遺物)を発掘とかしないところでしょ」
たま「DIYです」
くむ「地下に埋まっているに違いないものもあるんじゃないかと。そういうのを掘り出して使いましょうということはしていないですよね、今のところはまだ」
たま「こっちのほうが早いのかもしれないですよ。あたりをつけてさぐって掘り返して使えるものを精査して…みたいなことを考えるくらいだったら、もう即席で作っちゃったほうが早い」
くむ「知識は過去からのものとはいえ、確かに文明の創造をしていますよね。これはさ、小学生ウケするんじゃないの?」
たま「めっちゃワクワクすると思います。夏休みの化学工作キットではかどっちゃう感じの子、いるじゃないですか。私もそうだったんですけど。それこそ、そそりますよね」
くむ「いろんな工作とか実験とかありましたけど。子供の頃のそういうのが未来の科学の礎になっていったりするわけじゃない。めっちゃ理系目指す子供達が増えたりとかしたら面白いよね」
たま「ジャンプで連載しているものって、『ヒカルの碁』で囲碁が流行ったりとか、いろいろあるじゃないですか。絶対、カッコいいなと思ったらやりたくなっちゃうんだって!」

■やべえライバル・獅子王司、「武力vs.知力」対立の行方は
くむ「文明が発展し過ぎちゃダメだと思っているわけだからね。獅子王みたいなパワーがあればそういう王国を作るのもありなんじゃないかと思うけど」
たま「あまりに純粋すぎる理想を追いかけているので。可哀想な子だなとは思いますけどね」
くむ「でも大人たちの石像をバンバン壊していっている姿は怖かったですよ」
小宮「そこに獅子王の悪意はなくて、だからこそ、敵じゃなくてライバルなんだなというのが新しいといいますか、少年ジャンプのまっすぐな感じに合っていていいなと思いますね」
くむ「大人的感覚からすると難しいところではありますよね。確かに、獅子王司の純粋な気持ちというのはわかるじゃない。わかるけどもめっちゃマッドな感覚なんだよね。新しい世界を自分たちで作り出せばいい、ということは結局彼は彼なりに自分たちが生きていた世界の大人たちに対する批判があるわけで。だから大人はいらないと思っているわけだよね」
たま「それがなければ世の中がうまくいくというのは、すごく無邪気なことだなと思うし、ちょっと幼いかなとは思うんですけど。でもその夢が砕けたときに、もしかしたらわかり合うことができるんじゃないかなという素地が残っているバランスというのはすごく上手いなとおもいます。やっぱりジャンプの華で、これまで敵対していたライバルと共闘するみたいな展開が欲しいわけじゃないですか。ベジータみたいな感じで。だから、いつかわかり合えるといいよね、という」

次回、第7話からは新章「村編」へ突入します。新キャラ・琥珀と出会った千空は文明を進められるのか。司との対立、人類の復活、そして謎の石化現象の原因究明は…? 骨太なSFを土台に、少年マンガのワクワク感を大人にも与えてくれる作品です。

(笠井美史乃)

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