今回は、『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』特集です。2016年にテレビシリーズが放送された作品ですが、ゾンビ+和風スチームパンクの独特な世界観は、改めて見ても独特の面白さ。テレビシリーズとは方向性の違うファンムービー的な清々しさも魅力的でした。より切れ味冴え渡るアクションも見所です。久しぶりにテレビシリーズを見直してみたくなるかも!
■あれから半年後の甲鉄城、いいチームになってるぞ
くむ「無名のアクション、めっちゃすごかったですね。確かにテレビシリーズでもすごかった記憶はあるけれど、ここまでだったか?というくらいに」
たま「よりキレがよく、速く、という感じでしたよね」
くむ「当時もすごかったけど、より進化している部分もあるじゃないですか、アニメ業界的にも。そういうところが全部映像に出ているのかな、という感じはありました。やはり劇場だからこそクオリティ、というのはもちろんあったでしょうね」
たま「劇場に映えるくらい、もっとすごいことしてやろうぜ、という意志を感じるようなアクションでしたね」
くむ「それをサポートする生駒も良かったですし。とにかく、非常に満足度の高い劇場版になっているとリスナーさんたちの感想で見ていて、これは期待できるんじゃないの、と思って見たら納得の出来という感じでした」
たま「良いチームになったというのはホントにその通りですよね。あんなに息ぴったりに動けるようになるというのは、テレビシリーズの頃からはちょっと」
くむ「TVシリーズをどこまで覚えているかということももちろんあるんですけどね。こう、ギスギスしていたという記憶はあるんだけれど。今回の劇場版のスタートでキレイに、そうか、こいつらはこうだったんだなと思っちゃうという」
たま「色々あったんですよ、色々ね」
■テレビシリーズを再評価、一気見がおススメ
小宮「今回、劇場版を見る前に一気見で最終話まで見ました。どちらかというと劇場の方が、ボリュームというか深さ的には物足りなさを感じつつ、ファンムービーとして面白く見た、という感想なんですけど」
たま「テレビシリーズの内容を受けてこその海門だったなと、後で見てすごく感じたので。ファンムービーですね、やっぱり」
小宮「このタイミングで面白くテレビシリーズを見終えたまま劇場に行けたので。すごい清々しく良い気持ちでおります」
くむ「これ、今回特集して良かったなと思ったのは、そういう感想が聞けたというところですね。カバネリを一気見した感想ってあまり聞いたことがなくて」
たま「当時、配信サービスもそれほどじゃなかったですからね」
くむ「その段階で最終話後にそこあにで特集していれば、一気見した感想を聞けたかもしれないし、自分も一気見したかもしれないけど、見ないままだったんですよね。で、改めてそういう感想が聞けるわけなので。一気見に向いている作品と向いていない作品があるとよく言いますけど、カバネリは向いている作品だったんだということに改めて気づくというね」
たま「うん、どっちかというと勢いに任せて見た方がいいタイプの作品だったんだと思いますね、これは」
くむ「後半、結構ストレスだった記憶があるんですよ。見ていることに対して」
たま「葛藤が多い作品だったと思うので。テレビシリーズは。そういう意味では、海門決戦てすごくストレートじゃないですか。だからファンムービーだったかな、という気がしますね」
■無名って、こんな赤くなるような子だっけ…?
くむ「今回の物語で、ラブコメというまではあれだけど、恋っぽい物語が…何組ですか?」
たま「少なくとも3組はありましたよ」
くむ「賛否あるかもしれないけれども、私はよかったと思いますよ、これは」
たま「このお祭り感だったら行っちゃえ!というところはありますよね」
くむ「テレビシリーズだったら難しかったかもしれないけども。だって、こんなね、生きる希望ってあんまりない世界ですよ。人類の版図というのはどんどん狭くなっているわけでしょ。人間もいつまで生きていけるのかどうか、みたいなこの世界でですよ。恋の話をしていられるという。そこが最初から描かれているというところがね」
小宮「そういう意味ではブレてなかったなと。始まりからね」
くむ「そうですね。最初から最後まで。無名と生駒のキスで終わるというね」
小宮「こういうゾンビものって、やっぱり、些細な幸せというか。カバネを倒して領地を取り戻す、ではなくて、人間関係とか恋とか、そういうもので幸せを感じるというのは醍醐味でもあったりするかなと思うので」
たま「うん、明日のことはわからなくても、とにかく今日幸せで生きていこうという感じ。すごい出てましたよね、今回」
テレビシリーズでは凄惨な世界と運命に翻弄されながら戦い続けるキャラクターたちの姿が印象に残っていましたが、甲鉄城の面々がより強く、前向きに進んでいく今回の劇場版は、物語の次の展開を期待させるものになりました。ゾンビものの枠にとどまらず、ぜひハッピーなエンディングまで駆け抜ける姿を見せてほしいと思います。
(笠井美史乃)