今期の青田買いでいきなり特集1回分に匹敵する投稿を集めてしまった『幼女戦記』。タイトルで避けちゃう人も少なくなさそうですが(ごめんなさい)、見始めてみればこの反響もナットク! ということで、今期新番組から最初の特集となりました。まだ見ていない方は、とにかく2話まで見てみることをお勧めしますっ。この引き込み方はTVシリーズならではの面白さですよ!
■また異世界もの? いやまてこれは……
那瀬「異世界転生ものが流行っているわけじゃないですか。また?って思ったよ、いつものごとく。でも、まだあるか! こんな異世界の転生のしかたが!」
くむ「だいたい異世界に転生するキャラクターはニートだったり学生でしょ。若い人が多いわけですよね。まさか、この年代の人が転生するとは普通思わないでしょ。1話の段階だと全然分からないしね」
那瀬「女の子の異世界転生モノって今まであまり話題になったものがなかったと思うんですけど。それも含め、けっこう新鮮に見ています」
小宮「ミリタリー色が強いものって好き嫌いがあると思うので、見にくい人は見にくいと思うんですけど。私も1話では難しいなと思いましたけど、転生モノという設定があったから2話からすごく見やすくなったというか」
たま「原作を知っている身としては、異世界転生ものですよと推さなかったのは正解だなと思っています」
■悪魔的存在は現代のヒーローか
くむ「どう見ても悪魔に見えるこのターニャを愛せなければ、もう1話の段階で終わると思うんですよ。でも2話であの子がどういう存在なのか、なぜここに飛ばされたのかを描いたおかげで、悪魔的な存在を……許したわけじゃないけど妙に納得させられちゃったようなところが、2話でのスゴさだったのかな」
小宮「1話では軍人だからこういうしゃべり方なのかな、と何となく思っていたのが、2話からもうおっさんにしか聞こえない(笑)」
那瀬「言い方がアレですけど、ちょっとしたサイコパスじゃないですか。『ウジ虫!』とか言えるから、この世界にきて良かったじゃない、合ってる合ってる! みたいな感じに」
美樹「でも私はむしろ、今の時代だからかっこよく見える気がします。これくらい仕事できて、戦場にいっても計算で行動できるって、フツウに見ていてカッコイイ! ヒーローだなと」
たま「あれくらい決定能力が高い上司だったら、下につきたいもん」
美樹「そう! 今の時代だからこそ好かれる主人公なんじゃないかなって思っています」
那瀬「非常に気持ちは分かるけど……」
くむ「納得しづらい。納得したくない」
■有能? 無能? 存在Xがしたいことって……
くむ「彼に神の存在を信じさせたいのにああいうところに放り込んで、そこですごい能力を発揮しているわけじゃない。そんなチート的な存在としてあの世界へ持っていって、神を信じろ、崇めよというのはちょっとおかしくないかって思いません?」
たま「でも結果だけ見れば、敬けんなる神の信徒に見えるわけですよ。魔法を使う時は祈りの言葉を言うし、神を信じればあれだけの戦果が! という方向に行ってはいるんです、本人の思惑とは真逆に。そういう意味では成立しているのではないですか?」
美樹「能力がないとそれこそ後方で戦うとか、過酷な状況のレベルがミニマムなことになるじゃないですか。やっぱり能力があったり、人間性が高いレベルにあるからこそ、つらい状況がより大きくなると思うので。だから、より過酷な状況に陥れたいなら正しいんじゃないかなと思います」
くむ「確かに、前線に行かざるをえないことになってますね。彼の性格を知っていたからこそ、あえて能力を与えることで気がついたらああいう目に遭うという…。賢いけれども、その賢さ的にああなっちゃう道を選んでしまうだめさも持っていたわけだね」
たま「そうですよ、能ある鷹は爪を隠すことによって穏やかに生きて行けたはずだったんですけど、出世欲があるじゃないですか。だからあんなことに(笑)」
美樹「ちゃんと人間性を分かった上でここに陥れたんですよ」
那瀬「存在Xは思っていたより有能だな!」
ニヒルなくせに自己顕示欲が強く、期待されたことを(時に必要以上に)演じることで自ら追い込まれてしまうターニャ、それってまさに今時のサラリーマン?! 苦笑いなしには見られない、ある意味自虐的な作品かもしれません。彼女を取り巻く人々もひとクセふたクセあっていい感じ。個人的にはレルゲンがめちゃ気になってます。さて、初陣で大戦果を上げてしまった第二〇三魔導大隊ですが、このままで済む……ワケがないですよね!
(笠井美史乃)