2006年に放送されたサンライズのオリジナルアニメ『ゼーガペイン』の後日譚となる新作『ゼーガペインSTA』が、8月16日(金)に公開されました。
2016年に公開された『ゼーガペインADP』は、テレビシリーズを再編集しつつ前日譚につながる内容でした。新作はその『ADP』を振り返る「レミニセンス編」と、テレビシリーズ最終話のその先を描く「オルタモーダ編」の2部構成となっています。
今回は、8月17日(土)に新宿ピカデリーにて開催された舞台挨拶の模様をお届けします。
登壇したのはソゴル・キョウ役の浅沼晋太郎さん、カミナギ・リョーコ役の花澤香菜さん、ミサキ・シズノ役の川澄綾子さん、そして下田正美監督です。司会は、自らもゼーガペインの大ファンであり2016年には当時のバンダイビジュアルの宣伝担当として『ゼーガペイン ADP』を盛り上げた廣岡祐次さんでした。
浅沼晋太郎さん・花澤香菜さん・川澄綾子さん
カミナギは「マシンガントークの女の子」?!
テレビシリーズの続編が18年経って制作された今回、みなさんどのような心境でこの日を迎えられたのでしょうか。
下田監督「ゼーガペインの新作を皆さんにお届けできて、大変無完了……いや感無量です。とても嬉しいの一言です」
下田監督がテレビシリーズの企画に携わったのが2004年ということで、監督にとっては今年が20周年になるのだそうです。
浅沼さん「2016年の時にも、10年経って大規模なイベントをさせてもらったこことで『ありえねぇ!』と言ったんですけど、今回もそれから8年経ってこうして皆さまの前に並んで新作を一緒に見られるというのは、本当に『ありえねぇ!』と、本編には出てこなかったセリフで感想を述べさせていただきます」
という浅沼さんでしたが、実は「あるよ」と下田監督からの突っ込みが。テレビシリーズとは違う感情の「ありえねぇ!」なのでチェックしてみてください。
花澤さん「私はテレビシリーズのオーディションのことを思い出していました。当時、所属していた子役事務所からFAX(!)で送られてきたんですよ、原稿が。それで、キャラデザのプロフィールに『マシンガントークの女の子』って書かれていて。当時はおっとりしていたので、マシンガントークできるかなと不安になりながら練習していたのを思い出しました」
当時の花澤さんはリアル17歳。その時までの人生よりも長い時間が過ぎたことになります。なお、「(カミナギ役が)花澤さんになったとたんに、マシンガントークの設定は破棄しました」(下田監督)とのことです。
川澄さん「私はADPだけでも、シズノのいろいろな秘密や事情を知ることができて幸せだなと思っていましたけど、さらに時間がたって、また先のゼーガが見られるとは思っていなかったので。何度も何度もこういう場を持たせていただけるということは、長い間ゼーガを忘れないでいてくださった皆さんのおかげだと、今日はとても感慨深く思っています」
デビュー作を振り返ることは難しい
テレビシリーズの“その先”であり、ADPともつながりのある今回のSTA。年月を経て改めて同じ(でも少し違う)キャラクターを演じることに、どんな思いがあったのでしょうか。
浅沼さんは、今回のストーリーの核となるある状況のために新録のセリフが非常に多く「全然違うキョウではないし、でも全く同じではないし。自分の中のフェーダーを一生懸命探しながらの収録でした」と言います。また花澤さんは、ディレクターから「可愛すぎる」「カミナギはそんなに格好よくない! もっと無心で叫んで」と“ダメ出し”を受けたことが難しかったと言い、「そんなダメ出し初めて聞いたよ」と浅沼さんに突っ込まれていました。
川澄さん「年齢というより、デビュー作を振り返るのが難しいと思うんです。別録りってなんだろう、と思っていた無垢な自分はもう戻ってこない。それを、お二人とも過去の自分をたぐりよせて、また新たに自分のものにしているなと思っていました」
下手に演じるのとはまた違う、時間を経たアニメだからこその難しさと面白さがキャストの演技からも感じられるのも見どころ。カミナギの“そんなに格好よくない”格好よさは、予告編映像でも話題になった、ガンナーとして戦うカミナギのバトルシーンにぜひご注目ください。
今回の舞台挨拶に集まった方の多くは、テレビシリーズからのファンである“セレブラント”たちでした。息の合った登壇者のトークに笑いが絶えず、最後の挨拶に大きな拍手が贈られました。
下田監督「実に長い時間この作品をつくってきたのですが、フィルムはお客様に見て頂いて初めて完成するものです。上映後の皆さんの表情を見せて頂ける、大変なごほうびをいただいたと感じています。感極まりそうなので……本日はありがとうございました」
川澄さん「ご来場頂きありがとうございました。本当に皆さんといっしょに18年目のゼーガペインを見ることができて、本当に幸せでした。きっとこれからも続いていくのではないかと、ゼーガはすごい可能性を持っているなと改めて思ったので、セレブラントの皆さま方はこれからも『ゼーガペイン』を応援して頂ければと思います。今日はありがとうございました」
花澤さん「朝早くから来てくださってありがとうございます。上映は続きますので、まだまだ何度もみていただければと思います。私もまだわからないところがあって、パンフを見て、監督のインタビューを読んで、そうだったの?! ということがあったりするので、ぜひ深く掘り下げて頂ければと思います。私的にはドラマDCなどではっちゃけたみんなを見たいな、という思いもありますので、これからもぜひ応援していただければと思います。ありがとうございました」
浅沼さん「皆さまの額には青い光が見えております。ようこそいらっしゃいました。ゼーガペインのこの先をつくるのは、監督ももちろんでそうですが、こうやって集まっていただいたセレブラントの皆さんだと思っていますので、これからも何卒よろしくお願いします。僕は本編のキョウみたいに、もう一人の自分になって18年前の自分のところに行って、つらいこともいっぱいあるけど、こういう風景が待っているよと教えてあげたいくらいに、感慨深い気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます。まだまだ上映は続きますので、ぜひゼーガペインをよろしくお願いします。ありがとうございました」
『ゼーガペインSTA』は、2024年8月16日(金)から9月5日(木)までの3週間限定で上映中。
上映劇場にてBlu-ray [特装限定版]&[通常版] を先行販売中です。
また、8月31日に開催される「リセット祭り2024@舞浜サーバー」は現在抽選販売を受付中です。
○配給:バンダイナムコフィルムワークス
○公式サイト:https://zegapain.net/
○公式X(旧Twitter):@zega_official
『ゼーガペインSTA』 ©サンライズ
『ゼーガペインADP』 ©サンライズ・プロジェクトゼーガADP
TVシリーズ『ゼーガペイン』 ©サンライズ・プロジェクトゼーガ
(ライター 笠井美史乃)