そこあに増刊号vol.48 今回は8月21日にガガガ文庫より発売されたライトノベル『むしめづる姫宮さん』特集です。ゲストに著者の手代木正太郎さん、担当編集の小山さんをお迎えしてお話をうかがいました。
舞台は宮城県の田舎町。自然に囲まれる浦上町に暮らす有吉羽汰は、ある日突然、身の丈にあわない「おせっかい」をしてしまうようになった。どうやら原因は浦上に漂う“虫の魂”にあるらしい。虫について調べる流れで、羽汰は町で起こる奇妙な騒動を、虫好き少女姫宮さんとともに解決してゆくことになる。
震災の香りが残る宮城県描写のこだわりや、虫と人との関係から作られるキャラクターメイキングのお話など内容盛りだくさんのトークになりました。
「クラスにこんな子いたいた!」という、青春を謳歌するところはいろんな世代の人に読んで味わってもらいたい一作です! また、ストーリーに虫の豆知識が散りばめられ、どんどん「へぇ、そうなんだ!」と読み進められる面白さがあります。
前半はネタバレ無し、後半は少し物語を追求したトークになっているので、作品を読んでからお楽しみください。
小山さんによるガガガ文庫オススメ作品紹介も。(米林明子)
▇ガガガ文庫公式サイト https://gagagabunko.jp
▇手代木正太郎Twitter @syoutarou1981
一寸の虫にも五分の魂。それはヒトも同じ。
――宮城県宮城郡浦上町。そこは虫の魂が漂う不思議な町。時に虫の魂は未熟な思春期の若者の魂にひきよせられ、憑いてしまう。そんなとき、町の老人たちは、そっと若者に告げるのだ。「悪い虫に憑かれたら山の上の姫宮さんの所に行きなさい」と。
身も心も小さい有吉羽汰は、ある日突然、身の丈にあわない「おせっかい」をしてしまうようになってしまう。そのことを祖母に相談すると「……悪い虫さ憑かれたんだな」と姫宮さんのところへ行くように勧められるのだった。
だが、そこにいたのは昆虫のことが大好きなだけの、引っ込み思案の女の子で――?
セミの魂に憑かれ、五日おきにしか家を出られなくなった幼馴染み。
バッタの魂で集団化し、学校を支配し始めた女子ダンス部たち。
虫の魂による奇妙な騒動を、羽汰は虫好き少女姫宮さんとともに解決してゆくことになるのであった。
虫と人間、五分と五分の魂が巻き起こす、ちょっと不思議な青春物語。
著者:手代木正太郎
イラスト:Nagu
むしめづる姫宮さん(ガガガ文庫) Amazonで購入
Podcast: Play in new window | Download