納得の充足感、からの3期へ! そこ☆あに『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.2 First Guardian/3 恩讐の彼方に__』特集まとめ

3ヵ月連続で公開された劇場版『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』、今週はその2作目・3作目となる『Case.2 First Guardian』『Case.3 恩讐の彼方に__』の特集です。これまでの物語まで厚くするストーリー、そして次の展開への転換点と、尻上がりに高まる充足感。ファンも納得の3部作となりました。テレビシリーズ3期の前に観ておくことをおすすめします!

※物語の核心に触れるネタバレを含みます。気になる方は鑑賞後にお聴き/お読みください。

そこあに「PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.2 First Guardian/3 恩讐の彼方に__」 #574
「そこ☆あに」574回目は『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.2 First Guardian/3 恩讐の彼方に__』特集です。近未来の日本、人の心理状態、性格的傾向を管理するシビュラ...

■この先のPSYCHO-PASSを観るために必要なストーリー
たま「狡噛ってすごく華のあるキャラクターだから、出てくるだけで作品が引き締まるだろうなというのは予想がついていたんですけど。Case.2は、え、このメンバーでこんなに面白くなるの?みたいなのが、新しい発見でしたよね」
くむ「主役は征陸さんだったのかなと思うんですけど、でも、その征陸さんが出てくるのは、30分過ぎてからなんですよね」
たま「全然出てこなくて、びっくりしましたよ。もっと序盤から、がっつり出てくるのかなと思っていたから」
くむ「私、時計見ましたもん。まだ…?と思って(笑)。ほんとに思ったんだよ、大丈夫? 俺、間違って3観てない? くらいに」
たま「でも、出てこないなとは思いながらも普通に須郷の話に引き込まれて、このまま出てこなくてもそれはそれで…みたいな気分になっているところにドーン、という感じでしたよね」
くむ「2はねえ、構成がうまいよ、ホント。よく出来ているというのはこういうのをいうんだな、という感じの作品でした。まだ視聴していない方もいるかもしれないので、ぜひ、PSYCHO-PASSのテレビシリーズ好きだったら、特にCase2・3は観てほしい。というか、この先に行くために必要。観ておく必要のある作品になっていますよね」

■劇場版を見た後のテレビシリーズ2期は、面白い!
たま「楽しみ方がわかったというか、そういう感じですかね」
くむ「そう。あと、狡噛さんがいないということを、自分の中で納得できるようになっているから。最初の劇場版とこの3部作の3作目で、狡噛さんの行動がだいたい把握できたわけじゃないですか。狡噛がいない間の公安局、ということにやっと納得できたということかな。狡噛ってすごい主人公だったんだなと改めて思ったけどね。でも、他のキャラクターの強さみたいなものを描いてくれたおかげで納得できるようになったので、違う視点でTVシリーズ2期が観れるようになっている、という感じだと思います」
那瀬「その上で、2期を見直して須郷さんはどうでした?」
くむ「須郷はねえ…。まあ何よりも今回、青柳さんがめちゃいい役で出てきたじゃない。征陸さんとコンビを組んで。この人いたよな…と思っていたわけよ」
たま「2の記憶だと酷い死に方したよな、のイメージが強いんじゃないですか?」
くむ「いやあ、なんか嫌な記憶があるんだけどなあ…と思っていて。ちょうどさっき、そうだこのシーンだったと思って観ていたんですけど。しかも、青柳さんを撃ったのは須郷なんですよね」
たま「そうなんですよね」
くむ「須郷も別に意図して青柳さんを狙ったわけではなく、あの強襲型ドミネーターのおかげで結果的に撃つことになってしまったわけなんですけど」
たま「あの事件のあと、須郷さんの振る舞いにはやっぱりちょっと気落ちした感じを受けた記憶がうっすら残っているので。それも、何となく見方が変わりますね、この(Case.2の)エピソードが頭にあると」

■シビュラシステムのない世界で生きた人たちと、狡噛と
くむ「(Case.3の)ヒロイン、テンジンちゃん。なかなかPSYCHO-PASSに出てこないタイプですよね」
たま「いつもは生き残らないタイプですね、この作品だったら。国外だから生き残れたのかもしれないなと思うと、すごい複雑な気分になりますけど」
那瀬「天真爛漫だけど聡明さもある。捉えどころのない、めちゃめちゃ演じるのが難しいキャラクターだと思いましたね。今回、諸星すみれさんがやっていらっしゃいますけど、キャラクターの心を映すのが上手い方だなと改めて思いました」
くむ「そうだね。演技派ということでしょう」
那瀬「めちゃくちゃ演技派だと思いますね。あと、声優というところでいうと、高木(渉)さんのやっているツェリンもすごい良かったですよ」
たま「あの感じで、見た瞬間にこの人いい人なんだなってわかるのがすごいですね。高木さんて、すごいいい人か、すごいどうしようもない悪役かの二択じゃないですか。最後、しれっとリーダーに座っていましたけど、羽ばたいていってほしい感じのキャラクターでしたね。またどこかで会えたらいいな、っていう」
那瀬「ね。あそこまで人情味が素直に明るく出ている人も、PSYCHO-PASSにはなかなか出ないキャラクターですよね」
たま「やっぱり死んじゃうじゃないですか、ああいう感じの人は。生き残ってほしいなという人が生き残るというだけで、なんて素敵な話なんだろうと思いましたよ、Case.3は」
那瀬「序盤でしょうもない話をしますよね、ツェリンが。その話のオチがちゃんと後ろで回収されるのも憎いというか。ある意味PSYCHO-PASSらしくないな、とも思ったかな」
たま「あ〜…みたいな感じの反応もいいですよね」
那瀬「そういう、シビュラシステムのある日本ではなかなか味わうことのできないしょうもなさ、人間らしさみたいなのを感じることができて、狡噛さんは帰れるのかなという気もするしね」
くむ「帰っちゃったら、こんな日本なららやっぱり外の方が良かったと思うかもしれない」
那瀬「いやいや、こういう世界があるんだっていうことを、ちゃんと狡噛さんは実感できたわけだから」
たま「うん。シビュラがなくても、ああいう人たちが生きていける世界があるというのは、きっと今後につながるはずですよ。希望になるんじゃないでしょうかね」

過去のテレビシリーズでは活躍の少なかったキャラクターたちが、しっかり存在感を示し立ち位置を明確にしたCase.1と2。そしてついに狡噛が動き出すことになったCase.3。狡噛がシビュラシステムと、厚生省公安局と、どう関わるのか。外務省の思惑は…? テレビアニメ第3期が楽しみです!

(笠井美史乃)

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