特殊能力のないパーティーが「まちおこし」クエストに挑む! そこ☆あに『サクラクエスト』特集まとめ

今週は、2クール目突入『サクラクエスト』の特集です。第14話で一つの区切りを迎え、いい感じの折り返しスタートとなりました。テーマとなる「まちおこし」のリアルな問題や困難さをストーリに織り込みつつ、それぞれに悩みを持ったキャラクターたちの頑張りと成長を丁寧に描いています……と聞いてわかった気になるのはもったいない! 独特の皮肉っぽさや時々刺さるストレートなセリフなど、働く誰もが他人事とは思えない、血肉の通ったお仕事アニメです。

そこあに「サクラクエスト」 #487
「そこ☆あに」487回目は『サクラクエスト』特集です。 P.A.WORKS制作「花咲くいろは」「SHIROBAKO」に続く“お仕事シリーズ第3弾”として2017年4月スタート。現在2クール目が放送中です。 就職活動中突然町おこしの国王の仕事...

■等身大のキャラ、等身大の問題
小宮「アニメだとすごく大きな事件が起こることも多いと思うんですけど、この作品はすごく問題が近いところにあるなって。まちおこしと絡めてそういうところを描いているのはすごくあると思うんですけど」
美樹「それに、問題を解決する特殊能力があるわけじゃないじゃないですか。ほんとにリアルな子達の、ちょっと得意なこと、というくらいで。問題もそうだし、自分たちもそこまで特殊じゃない、というところが等身大。わかるし、頑張っているなというところが、いいですよね」
小宮「そこがすごく親近感がわくところで、毎話見たいなと思わせるところ。キャラクターにすごく惹かれていくところかなと思います」
美樹「この5人の女の子を好きになれる男性の視聴者の方は、リアルでも恋愛できると思いますね(笑)」

■結果はまだまだ、でもみんな成長してます!
くむ「本編中でもずっと言われていますけど、(まちおこしは)すぐ結果が出るものではない。少しずつ増やしていって、変えていって、盛り上げていって、というのに1年はすごく短いんですよね」
美樹「意外だったのが、木彫りの時に、由乃もちゃんと100年という構想ができたこと。孫の世代でいいからこれが出来上がった時に見てくれたら、というくらいのことを考えられるのは、すごいなと思いましたね」
くむ「そんなことを言える能力のある由乃が、なぜ就活に落ち続けていたのかがわからないですよ(笑)」
美樹「学んだんですね。やっぱ、現場に入るって一番成長するなと思いますね」

■由乃のリーダーシップが素晴らしい?!
小宮「由乃のピュアでバカなところが起爆剤になって、(仲間の)4人が変わっていっているのかな、というのが印象。由乃のキャラクターとしてそこが一番出ているかなって思いますね」
美樹「由乃って、自分が地方を過疎化させている1人でありながら、まちおこしというものを課されて、でも自分のふるさとじゃないじゃないですか、間野山は。その間野山をアピールしようと思ったきっかけって、最初に関わったこの4人のことが好きになれたから。由乃ががんばる起爆剤になったのは、あの4人かなと。その関係性がいいなと思いますね」
くむ「お互いが相乗効果で、一人一人だったら多分輝けなかった人たちが、結果的に全員重なることで、まさにパーティになっていったのかな。描き方がやはり上手いんだと思うんですよね。由乃がスーパーヒロインで、全部を引っ張っているわけではなく。まだ由乃自体にも問題はたくさんありながら、みんながうまく重なることで力を発揮し始めた、というレベルですかね」

超人的な誰かはどこにもいなくて、全員ダメなところや悩みを持ちながら、その関係性が何かを少しずつ動かして行く。2クールだからこそできるじっくりした描き方が魅力です。これまで見ていなかったスタッフからも「見てよかった!」の声が。見逃していたみなさんは、ぜひ今のうちに追いつくことをお勧めしたいです!

(笠井美史乃)

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