そこあに増刊号vol.54 今回は2月26日に日本評論社より発売された『アニメと戦争』特集です。著者でアニメ評論家の藤津亮太さんをお迎えして、執筆の経緯や内容についてお話をうかがいました。
『ゲゲゲの鬼太郎』、『この世界の片隅に』、『風立ちぬ』をはじめ、本書には数々のアニメタイトルの戦争描写が紹介されます。アニメにおいて戦闘シーンとは、作品の特徴づける重要な表現のひとつですが、その描写を史実の戦争と紐づけて考えたことはありませんでした。アニメの中に描かれた戦争が、時代とともにどんな変遷を遂げてきたのか。アニメは、戦争と切り離された時代を生きる私たちが戦争を知るためのとても有効な入口です。だからこそ入口だけ見て素通りしてしまわずに、「戦争を考える」ための視野を広げてくれる一冊として、たくさんの世代の人に読んでほしい本だと思います。
表紙と帯もカッコいいですね! こちらは電子書籍版には付かないそうなので、お近くの書店またはお取り寄せでのお買い求めを強くおススメします!(那瀬ひとみ)
アニメと戦争
『桃太郎 海の神兵』から『この世界の片隅に』まで、アニメに登場する様々な戦争。 その系譜をたどり、社会との関係を問い直す。
はじめに
1 『ゲゲゲの鬼太郎』という“定点”
2 『桃太郎 海の神兵』の同時代性と断絶
3 少国民世代、「戦争」を描く
4 『宇宙戦艦ヤマト』の抱えた分裂
5 誰も傷つかない「戦争ごっこ」の始まり
6 「ポスト戦後」時代の戦争アニメ
7 ポスト戦後の中の「過去の戦争」と「未来の戦争」
8 『紅の豚』の苦悩、『パトレイバー2』の現実
9 冷戦後の「アニメと戦争」を構成する三要素
10 二一世紀にアジア・太平洋戦争を語ること
おわりに
著者:藤津亮太
カバー:会田誠《ザク(戦争画RETURNS番外編)》
帯:富野由悠季
アニメと戦争 (日本評論社) Amazonで購入
■藤津亮太 Twitter https://twitter.com/fujitsuryota
■出演:那瀬ひとみ・くむP
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