今週はテレビシリーズ第2期となる『血界戦線 & BEYOND』特集です。1期とはちょっと雰囲気を変えながらも、毎回劇場作品さながらの濃さとクォリティはさすがの仕上がり。声優陣も豪華で、なんとも贅沢な作品です。見ないともったいないですよ!
■1期とは異なる雰囲気で楽しめる
くむ「前期と今期、監督が変わったというのもありますけど、ちょっとイメージが違う作品に上がってますよね」
たま「より一層ポップに、1話完結感が強くなったというか」
くむ「どっちが好きとかじゃないと思うんだ。前期は独特の作品感、世界観みたいなのをすごく見せてくれたシーズンでしたよね。クォリティの面でも、妥協できないという感じだったという気はしますし。その結果が最終回間に合わなかった事件に繋がったんじゃないかとも思うんですけども(笑)。でも最後まで見て非常に満足のいく出来になっていたと思いますし。ただ、劇場作品を1クールずっと見せつけられていたような。1話1話で見るというよりも、全話で見るという作品だったと思うんですよ」
小宮「そうですね、1期は12話でひとつの物語という印象が強くて。2期は1話完結。そういう意味でも色が違うなというのが、2期始まって見て一番最初に思ったところです」
たま「あの圧倒的な世界観とか、雰囲気、ライブラの感じとかは、1期ですごく作り込んだからこそ、2期でそれを使って遊ぶということができるようになったんだなと思うんですよ」
■お当番回で魅力増し増し! 3話のスティーブン
たま「今期、めちゃくちゃ活躍してますよね。暗躍とも言いますけど」
くむ「前期に比べると、プライベートも見えちゃったりするしさ。そう、これが見たかった!みたいな感じはすごくあるんですけど」
たま「彼の人間性の微妙なサジ加減は本当にずるいと思うんですよ。冷酷な面もあるけど、本気で傷つくような繊細な部分もあって。そういう踏んだり蹴ったりな日の最後に会った人にちょっとホッとするような人間味みたいなものもあって。絶妙な弱さというんですか。ずるいですよね。原作で読んだ時も思ったんですけど、内藤先生はちょっとダメな男の人、女の子にモテるラインがすごくある男を描くのがめちゃくちゃ上手いなと思うんですよ」
くむ「男からも惚れられるタイプだと思いますよ。特にあの3話は、ああいう話の中に家政婦のベデットの子供達まで出てくる、あの話をポンと差し込んでいるところが憎いよねえ」
たま「あの散々な日の最後に、散々な目にあった人に出会うという終わり方が私はすごく好きで。でもあの後に、もしかしたら残ってしまったローストビーフを一緒に食べたのか、それともさよならとして終わりだったのかとか。色々考えるじゃないですか。すごく余韻が残る終わり方で、好きなんですよね、あのエピソード」
くむ「大人の物語を見た感じがするよね」
■主人公・レオナルド、シメに見せ場を準備中?
たま「なんかこう、一生懸命で、非力なりにすごく強く生きているレオくんというのが、これまでずっとお当番回のキャラの後ろで描かれてきているじゃないですか」
くむ「そうですね、なんだかんだ言って主人公ですよね」
たま「そのかっこ良さが最大に発揮される回というのが、やっぱりあるんじゃないですか?」
くむ「そうだよね、主人公だからね。そういう意味では、クラウスの活躍する場もほしいところではありますけどね」
たま「その、レオくんの追いかけている背中なんですよ。それはもうかっこいいところがあるに違いない! というか、見たいんで。お願いします・・・」
くむ「残り話数少しですけど、そういう風にシリーズ構成してあるに決まってるでしょう。今回(8・9話)前後編で、ここに山持って来ちゃうの?と思っていたんですけども、山というほどの山ではなかったのかな。レオくんのいいところは出ていたけどね。だからこの後くるんだなと、最終回にふさわしい物語が」
原作の魅力をしっかり取り込みつつ、アニメらしい表現をうまく活かしているのも面白いところ。間を開けながらでいいので、長く続いてほしいシリーズです。いつかあの迫力を劇場版でも観てみたい!
(笠井美史乃)