AnimeJapan 2014 バンダイナムコブース ステージレポート
こだわりすぎ?! タイバニ劇場版のクォリティを読み説くスタッフトーク
3月22日、AnimeJapan 2014 のバンダイナムコブースでは、「劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising-」のトークイベントが開催されました。ステージも観客席も、作品への愛情あふれる空気で埋め尽くされました。
■「劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising-」BD&DVD発売記念スタッフトークショー
ステージに登壇したのは、米たにヨシトモ監督、キャラクターデザイン・総作画監督の板垣徳宏さんと山本美佳さん、美術デザインの児玉陽平さん、美術監督の大久保錦一さん、そして色彩設計の永井留美子さん。TVシリーズでも密度の高い絵作りが特徴的だったタイバニですが、それをしのぐクォリティとなった劇場版はどうやって作られたのか。スタッフのみなさんがそれぞれの仕事を語りました。
板垣「TVシリーズの作監でアクションを描いたのがとても楽しかったので、今回はアクションをもっと自分で描ければと。また、桂先生のデザインをいかに可愛く見せるかに注力しました。」
山本「人体の構造が分かっていないとキャラクターをデザインできないのですが、意識するうちにどんどんムチムチになってしまいがちで、それを細くしようというのが今回の目標でした。」
児玉「リアリティある海外の雰囲気を出すことを意識しました。マンハッタンを取材して、実際に見た空気感がデザインにも表れるかと思い、いい取材になりました。」
大久保「今回は夜景の色などがもっとムーディーになるよう永井さんに色を作ってもらい、今までにない表現になっているはずです。チャレンジはカット数との戦い。どのカットも全力で、タイバニ史上ナンバーワンの背景になっていると思います。」
永井「同じ部屋でも夕方から夜にかけて変わっていく室内の色や、その上に乗るCGやキャラクターの色、天候に合わせて彩度を変えたりもしています。そういう細かいところも見て頂けるとうれしいです。」
また、TVシリーズ以上に大がかりなCGアクションも見所の今作。レンダリングをスムーズにするため、構造を単純化してテクスチャを貼り付けるというテクニックもあるのですが、今回登場したヘリや巨大な敵(カニメカ)は”嘘”をつかずデザイン通りに作っているとのこと。何度見ても迫力ある動きは、こうしたこだわりに支えられているんですね。
米たに「今回は”手力”とデジタルの力とをうまく使いました。特に美術は手力がすごかったと思うんです。」
大久保「貼りこみ素材も多くて、それはどうやったの? とよく聞かれますけど”がんばってやった”としか言いようがないですね(笑)」
7月4日発売のBlu-ray&DVD初回特典には、270分もの映像特典を収録。10月に行われたイベント『劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising- SUPER PRELUDE』をノーカットで収録するほか、舞台挨拶も可能な限り入れる予定とのこと。また、6月にはスタッフインタビューや原画、完成台本など全500ページを超える設定資料集「KING OF WORKS」を発売。今回登壇した方々の仕事をより詳しく見ることができます。
ステージの最後に、米たに監督は「本当に優秀なドリームチームと仕事をすることができ、大変なこともありましたが、夢のような楽しい時間でした。会場の皆さんも映画を見たことでそれを共有して頂けたと思います。大勢の力を結集して作りましたので、Blu-rayも含めてまだまだ楽しんでいただけるとうれしいです。ありがとうございました。」とファンへのメッセージを述べました。
■劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising- 公式サイト http://www.tigerandbunny.net
©SUNRISE/T&B MOVIE PARTNERS
(記事 笠井美史乃)
劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising- (初回限定版) [Blu-ray] | |
平田広明,森田成一,中村悠一,米たにヨシトモ |