6月18日、都内の劇場にて『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜 THE LAST SONG』最終話放送前夜祭 「コンレボってる場合ですよ!!」が開催されました。19日の最終話 「君はまだ歌えるか」放送を目前に、スタッフ、キャストによるトーク、第23話ライブコメンタリーに最終話先行上映という豪華な内容。登壇したのは、石川界人さん(人吉爾朗役)、上坂すみれさん(星野輝子役)、中村繪里子さん(風郎太役)、そして水島精二監督、シリーズ構成・脚本の會川昇さん。司会進行は作中のアナウンサー役でもおなじみの松澤千晶さんです。
(左から)松澤千晶アナウンサー、水島精二監督、上坂すみれさん、石川界人さん、中村繪里子さん、會川昇さん
振り返れば1話放送当時が遠くに見える今日この頃。レギュラー陣に加え毎回のように新しいゲストキャラが登場し、過去と未来を行き来しつつも、作中では確実に時代が移り変わっていたことに気付かされます。
水島監督「一人ひとりが物語の主人公になれるようなキャラクターを作るということは最初から共有していましたが、ちゃんとコンセプトを詰めてここまでしっかり形にしている作品はなかなか無いと思います」
キャラクターの数だけでなく、時代設定や過去の出来事、国や組織の思惑も複雑に絡み合う物語。しかし、やみくもに人物や事件が多いばかりでなく、終盤になってそれがいろいろな形で繋がっていくのがこの作品の面白さです。
會川さん「進化という世界で超人たちがどう生きているのかを1本ずつ断片的に見せて、それを繋ぐのが超人課、ということでした。自分としてはその1本1本がすごく楽しかったし、そこにどれだけ注ぎ込めたかが全てなので、そういう意味では大変満足です」
トークに続き、登壇者が客席で鑑賞しながらの第23話「怪獣と処女(おとめ)」ライブコメンタリー上映が行なわれました。シリアスな展開とは裏腹に細々したツッコミや裏話が飛び出し、終始笑いに包まれながらの鑑賞となりました。そして、ついにラスボスとの直接対決となる最終話(第24話)「君はまだ歌えるか」の上映へ。
すでにご覧になった方も多いかと思いますが、物語が終わったのだという実感がじわじわと染みてくるような最終回。上映後はすぐに言葉にできない思いが会場全体に漂っているようでした。ステージではキャストから監督と會川さんへの花束贈呈も行われ、笑顔ながらも何となくしんみりムード。イベントの最後に登壇者が述べるコメントも、今回はひときわ思いの詰まった内容でした。
石川さん「最後まで、すごく情熱を込めてやってきて良かったと思います。シナリオを読み解いて、度々来るゲストの方に全部説明できるようにしようと。本来なら役者が絶対にしなくてはならないことで、それを改めて気づかせてくれる作品に出会えたことを、本当にうれしく思います。ありがとうございました」
上坂さん「脚本を読んで考えていったことがだいたい合っていなかったんですけど(笑)、じゃあ合っていなかったらどうすればいいかということを根気よく教えてくださいました。私にとっても大きな転機となった作品でしたし、みなさんにも何か刺さるものがあったと思います。そういうことを大事にしていきましょうね。本当にありがとうございました」
中村さん「歴史を作るのと同じように、何かをしようと考えるのではなくやってみた結果がそうなっていったという、神化の世界と作品を創ることそのものがオーバーラップするような、すごく不思議な感覚でいっぱいでした。私ももう一度、いち視聴者になって楽しみたいといます。今後ともコンレボをよろしくお願いします」
會川さん「自分が中学に入った頃、アニメ・漫画・特撮などは小学校で卒業しておくべきものでした。そう言われた時代に、それでも何かあるんじゃないかと思っていた、そんな気持ちから生まれた、すごく個人的な記憶に基づいた作品です。それに付き合ってくれた水島監督、スタッフのみなさん、そしてファンの皆さんに、本当に感謝しています。ありがとうございました」
水島監督「自分としてはベストな形で着地できて、また代表作ができたと思っています。スルメみたいなフィルムで、掘り返してみると細かな伏線を回収していたり、途中であきらめたところも(笑)分かると思います。長く楽しめると思いますので、今後とも愛していただけると嬉しいです。ありがとうございました」
人気が出たら続編・劇場版へ続ける流れが多い昨今にあって、これだけ気持ちよく完結してくれたこともまたかつてのヒーローたちの在り方を思い起こさせるようでした。完結してなお心の中に生き続けてこそ、ファンにとって本当のヒーローなのかも。永遠のヒーローをまた一人心に刻むイベントとなりました。
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(C) BONES・會川 昇/コンクリートレボルティオ製作委員会
(記事 笠井美史乃)