富野監督「神様の声があれば続けたい」 – 『ガンダム Gのレコンギスタ』最終回上映イベントレポート

Gレコ_KEY3_WEB軽3月27日、『ガンダム Gのレコンギスタ』最終回放送に合わせ、都内の劇場にて『ガンダム Gのレコンギスタ完結記念ナイト! 〜富野監督と一緒に最終回を観よう〜』が開催されました。イベントでは始めに「クリエイターズトーク」としてスタッフのトークが行われ、続いて本編24・25・26話の上映、そして富野由悠季総監督を交えての「キャストトーク」が行なわれました。

■企画スタートから8年、「物量すごすぎ」の内幕

クリエイターズトークに登壇したのは、キャラクターデザイン・作画チーフの吉田健一さん、メカニカルデザインの安田朗さんと形部一平さん、デザインワークスのコヤマシゲトさんです。

最終回の制作作業がギリギリまでかかり、「今週の火曜まで描いてました」という吉田さん。キャラクターの数は「200人を超えたと思う」と言い、死に方の設定まで描くケースもあったそう。「物量がすごすぎて、こんなに追いつかないのは初めてでした」と制作を振り返りました。

終盤のパーフェクトバックパックを背負ったGセルフが強すぎるという話題が出ると、安田さんは「(作品世界的に)この次はターンAが来ると考えて、あれよりは弱いけど、Vガンダムよりは強い」という意識でデザインしたと明かしました。形部さんが最も気に入っているのはアイーダのイメージでデザインしたというアルケイン。「フルドレスも頼まれないのに書きました」という仕事量に驚きです。

コヤマさんが苦労したのは衣装のデザイン。「シンプルな線でないといけないし、あまりおっぱいを出すと怒られるけど肌は出したい、みたいな感じ」という監督からの複雑な要望で、特にパイロットスーツは厚みや質感までかなりのこだわりがあったようです。

同作ではメカもキャラクターも膨大な数が登場しましたが、そのデザインはただ目に見える形だけでなく、背負った歴史、基盤になる思想やテクノロジーにまで及び、深く掘らなくてはできないものであることが伝わってくるトークでした。

この後、スタッフとキャスト、そして富野監督が観客席に座ってファンと共に作品を鑑賞。上映が終わると、場内総立ちで大きな拍手が贈られました。

■新たな旅立ちで”皆殺しの富野”返上へ?!

キャストトークには、ベルリ役・石井マークさん、ルイン役・佐藤拓也さん、クリム役・逢坂良太さん、ミック役・鷄冠井美智子さん、そして富野監督が登壇。最終回を中心に作品を振り返ってのトークが行われました。

最終回では、ベルリとルインの対決は最後の大きな見せ場になり、クリムも今までになかったカッコ良さが。富野監督によると、ミックは鷄冠井さんの演技があったことでキャラクターに肉付けされ、予定以上に活躍することになったそうです。

石井さん「最後のセリフは終わりたくないという気持ちで何度もリテイクを出してしまいました。でも、ベルリが言う通りこれから旅に出るのだから、まだ終わらないと思って演じて、OKをもらいました」

佐藤さん「(ベルリとは)ずっと埋められなかった溝がありましたが、一矢報いたと思っています。最後はベルリに勝てなかったから云々というわけではなく、生きていくということで終着して、可能性が残ったのが一番幸せなんじゃないかと思います」

逢坂さん「ミックと死線をくぐり抜けて、絆が深まったんだなと。(アフレコ時に)言葉は冷たいのですが優しく言ってほしいと言われ、ミックを大事に思っているのだと感じました」

鷄冠井さん「楽しく一生懸命な現場で、恵まれた環境で初レギュラーをやらせて頂けました。最後は寂しくなるかなと思っていたのですが、新しい旅立ちの方が心に残っています」

この4人を含め、同作では若者たちは生き残りそれぞれに新しい旅に出ました。

富野監督「さすがに『皆殺しの富野』はやめたいなと……(会場、笑いと拍手)こういうことで拍手が来る自分のレッテルが嫌なのよね。ということで、こうしました」

最終回では”井荻翼”として声優デビューも果たした富野監督。そのキャラクターが富野監督そっくりだったのはキャラクターデザインの吉田さんの仕業で、気付いたプロデューサーも黙っていたという確信犯。監督自身はリテイクしたかったようですが、スケジュールの関係でそのままオンエアとなりました。また、このシーンは日本の富士山が背景になっていましたが、海外版ではそれぞれの国の代表的な場所に変えてオンエアすることも考えているそうです。

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(左から)コヤマシゲトさん、吉田健一さん、逢坂良太さん、鷄冠井美智子さん、富野由悠季総監督、石井マークさん、佐藤拓也さん、形部一平さん、安田朗さん

トークイベントが終わると、サプライズでエンディングテーマ『Gの閃光』を歌うハセガワダイスケさんが登場し、会場全員でフルコーラスを合唱。ステージ上は肩を組んでラインダンスを踊り、観客席もスタンディングで手拍子と拳の上がる盛り上がりとなりました。

最後は、スタッフ・キャストを代表して富野監督が挨拶に立ちました。

富野監督「このような機会を頂けたのは、みなさんと、ここにいない大勢のスタッフがいてくれたからです。思うように作れなかった部分もありますが、ここでみなさんとお会いできたことを生涯の喜びにしたいと思いますし、まだもう少しやっていいという神様の声があれば、もちろん続けたいと思います。今後とも機会がありましたら、ご支援いただきたいと思います。本当にありがとうございました」

さらなる活躍を期待させる言葉に会場からは大きな拍手と歓声が贈られ、富野監督は「G」の文字が入った帽子を取ると、観客席に何度も頭を下げました。スタッフ・キャスト全員を送り出すと最後に舞台袖で観客席に向き直り、もう一度笑顔で頭を下げ、ステージを後にしました。

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最終話から

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【TV放送】
  BS11 毎週日曜 夜7時30分〜
  アニマックス 毎週月曜 夜7時00分〜、夜10時30分〜、深夜3時30分〜
  TOKYO MXにて、4月7日(火) 夜10時30分より再放送スタート!
【配信】dアニメストア、ガンダムチャンネル、バンダイチャンネルにて放送中

◇「ガンダム Gのレコンギスタ」公式サイト:http://www.g-reco.net/

(C)創通・サンライズ・MBS

(記事 笠井美史乃)

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